◎中国はソロモン諸島への船舶の寄港を含む軍事的プレゼンスを高める可能性がある。
オーストラリアとニュージーランドの首相は28日、ソロモン諸島に中国軍が駐留する可能性があることに懸念を表明した。
地元メディアによると、中国はソロモン諸島への船舶の寄港を含む軍事的プレゼンスを高める可能性があるという。
AUSのモリソン首相は今週末にNZLのアーダーン首相、来週月曜にはパプアニューギニアとフィジーの首相と協議する予定と明らかにした。
ソロモン諸島のソガバレ首相は2019年に台湾との外交関係を断ち、中国との関係を強化した。同国に支援を提供していた米国は台湾問題後、ソガバレ政権ではなくマライタ島の自治体に直接援助を提供するようになり、同国と西側の関係は悪化した。
中国との関係強化はソロモン諸島に5億ドル規模の融資を呼び込むと期待されているが、コロナウイルスの感染拡大に伴い、まだ実現していない。
モリソン首相は記者団に対し、「南太平洋の安全保障は絶え間ない圧力と脅威に直面している」と語った。「これは懸念すべき問題のひとつですが、驚くようなことではありません。我々は脅威を常に認識していました」
アーダーン首相もラジオNZのインタビューの中で、中国軍がソロモン諸島に駐留する可能性に深刻な懸念を表明した。
アーダーン首相はソロモン諸島政府に対し、自国の安全保障を考える際、太平洋の同盟国以外に目を向けないよう強く促した。
一方、中国外務省の報道官は28日、懸念を一蹴し、「中国とソロモン諸島の協力はソロモン諸島政府と国民に温かく歓迎されている」と述べた。
ソロモン諸島と中国が「警察協力協定」を結んだことは24日に明らかになった。また、インターネット上に流出した安全保障協定の草案も近隣諸国の不安をあおった。
草案には、「中国は社会秩序の維持を支援するため、その他様々な理由でソロモン諸島に警察、軍人、その他の組織を派遣することができる」と書かれている。立ち寄ったり物資を補給したりするために船舶を派遣することもできる。
また草案は、「安全保障の取り決めに関する情報を公開する場合、メディアへの説明も含め、中国の署名が必要」と定めている。
先週、この草案について質問された中国外務省は、「中国とソロモン諸島は平等な扱いとウィンウィンの関係を構築する」と述べていた。
この安全保障協定の発効時期は明らかにされていない。
AUSはソロモン諸島と2017年に安全保障条約を結び、安全保障上の問題が発生した場合、AUSは警察や軍隊を派遣し支援にあたることができるようになった。
AUSは2003年から2017年までソロモン諸島地域支援ミッションのもと、太平洋諸島の警察と軍隊約2,300人を率いていた。この支援ミッションのおかげで、200人が死亡した紛争を終わらせることができた。
ソロモン諸島の野党党首ウェイル議員は昨年8月、AUSのストラハン高等弁務官に、「政府は中国と安全保障協定を交渉しており、中国の基地が設置される可能性がある」と警告していた。
ウェイル議員は28日に放送されたオーストラリア放送協会のインタビューの中で、「AUS政府の対応に失望している」と語った。「AUSはこの事態を予測していたと思います...」
モリソン首相は太平洋地域への対外援助を再検討していると述べたが、詳細は明らかにしていない。