◎米国、日本、AUS、NZはソロモン諸島に中国の海軍基地が建設される可能性があると懸念を示している。
ソロモン諸島のソバレニ(Siaosi Sovaleni)首相は6日、「中国人民解放軍が同国に駐留することは決してない」と断言した。
ソガバレ氏はオーストラリアの首都キャンベラでアルバニージー(Anthony Albanese)首相と会談した。
インド太平洋地域で覇権主義的な動きを強める中国は今年4月、ソロモン諸島と安全保障協定を締結し、この地域の盟主であるAUSとニュージーランドに衝撃を与えた。
ソガバレ氏は会談前の記者会見で、「ソロモン諸島は外国の軍事施設や基地の建設を決して認めない」と断言し、アルバニージー氏を安心させた。
ソロモン諸島と中国は安全保障協定の最終版を公表していないが、3月末にリークされた協定の草案によると、「中国はソロモン諸島の要請があれば、中国軍(警察含む)の派遣を認める」としている。
米国、日本、AUS、NZはソロモン諸島に中国の海軍基地が建設される可能性があると懸念を示しているが、中国はこれを否定している。
ソガバレ氏は記者団に、「私の使命はソロモン諸島と国民の未来を守り、太平洋島嶼国の安全を脅かさないことだ」と語った。
両首脳は会談後の共同記者会見を開かず、声明を発表した。それによると、両首脳は相互の安全保障へのコミットメントと、地域の平和と安全に対する太平洋島嶼国の安全保障へのアプローチを再確認したという。
AUSはソロモン諸島の安全保障の必要性を中国ではなく、近隣諸国に求める考えだ。
AUSは2017年にソロモン諸島と安全保障条約を結んでいる。
AUSは2003~2017年まで、ソロモン諸島地域支援ミッションに基づき、ソロモン諸島の警察と軍隊を率いていた。AUSを含む17カ国が介入した結果、200人もの犠牲者を出した紛争を終結させることができたのである。
ソガバレ氏とアルバニージー氏は今年7月にフィジーで開催された太平洋諸島フォーラム首脳会議でも会談していた。
しかし、両国の関係は依然として険悪なままだ。ソガバレ氏は先月、AUSが来年のソロモン諸島の選挙費用を負担すると申し出てことに強く反発した。
ソガバレ氏は来年の選挙と太平洋諸国対抗のスポーツ大会「パシフィック・ゲームズ」を行う財政的余裕はないと主張している。
議会は先月、選挙を2024年まで延期する決議を採択したが、AUSはソガバレ氏が体制を維持するために選挙を後ろ倒ししたと非難した。