◎同国の法律は500グラム以上の大麻密売に死刑を適用する。なお、大麻より依存性が高いヘロインは数グラムでも死刑に処される可能性がある。
2019年9月23日/シンガポールのビジネス街にある公園(Vincent Thian/AP通信)

シンガポールの法務当局が麻薬密売で死刑判決を受けた死刑囚の刑を執行した。地元メディアが26日に報じた。

それによると、この死刑囚は56歳の男性でシンガポール人。26日に絞首刑に処されたという。

AP通信は死刑制度廃止を提唱する活動家の話しとして、「この男性は2018年にヘロイン約50gを密売した罪で死刑判決を受けた」と伝えている。

同国の法律は500グラム以上の大麻密売に死刑を適用する。なお、大麻より依存性が高いヘロインは数グラムでも死刑に処される可能性がある。

当局は28日に女性死刑囚の刑を執行する予定である。

シンガポールで女性が絞首刑に処されるのは2004年以来19年ぶり。

APによると、この女性死刑囚は45歳のシンガポール人。2018年にヘロイン約30gを密売した罪で有罪判決を受けたという。

2004年に絞首刑に処された女性は36歳。同じく麻薬密売罪で有罪判決を受けた。

シンガポール政府は昨年、薬物犯罪で有罪となった11人の死刑を執行した。

知的障害者とされるマレーシア人男性の絞首刑は国際的な反響を呼び、同国の死刑制度は人権規約を逸脱していると批判を浴びた。

しかし、シンガポール政府は死刑制度が薬物の蔓延を抑え込むうえで重要な役割を果たしていると反論している。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルとその他の8団体は26日の共同声明で、「女性が予定通り絞首刑に処されれば、昨年3月以降に薬物犯罪で処刑された市民は15人になる」と述べ、シンガポール政府に再考を促した。

地元メディアが今年行った世論調査によると、回答者の9割が薬物犯罪の死刑を支持したという。SNSにも死刑制度を支持する投稿が寄せられている。「シンガポールに薬物を持ち込まないで」「薬物にかかわらなければいいだけの話し」

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