◎首都イスラマバードを含む都市部ではカーン前首相の逮捕に抗議するデモが暴動に発展し、2000人以上が逮捕された。
パキスタンのシャリフ(Shahbaz Sharif)首相は13日、カーン(Imran Khan)前首相の逮捕に関連する暴動に関与した人々の責任を追及すると約束した。
カーン氏は今週、イスラマバード高裁に出廷した直後に逮捕された。地検は3月にカーン氏を含む前政権の閣僚や関係者などをテロに関与した容疑などで告発していた。
しかし、最高裁は12日、今回の逮捕劇について、「高裁の敷地内で行われたものであり、到底容認できない」と地検を批判。カーン氏の保釈を認めた。
カーン氏は13日未明に東部ラホールの自宅に戻り、その後、支持者の前で演説した。
イスラマバードを含む都市部ではカーン氏の逮捕に抗議するデモが暴動に発展し、2000人以上が逮捕された。
暴徒たちは軍事施設や車に火を放ち、略奪行為も確認された。
カーン氏は保釈されたが、テロ容疑を含む100件近い罪状で裁判にかけられる可能性がある。
一方、シャリフ氏は13日の記者会見で、「ラホールの軍施設に放火した暴徒を追跡している」と明らかにした。
シャリフ氏は記者団に対し、「この攻撃および計画に関与した者をひとり残らず訴追する」と語った。「放火は平和的な抗議デモではなく、犯罪です!」
中露寄りのカーン氏は昨年4月に不信任決議で弾劾されて以来、政府・司法・軍を批判し、全国各地で集会を開催してきた。
カーン氏は不信任決議に米国が関与したと主張。「逮捕状はシャリフ(首相)の嫌がらせ」と非難している。
シャリフ氏は汚職を含むカーン氏の罪状を「言語道断」「信じがたい蛮行」と評している。
カーン氏の逮捕当日、全国数カ所で抗議デモが暴動に発展した。ラワルピンディのヌール・カーン空軍基地には警棒を持ったデモ隊が押し寄せ、正門をこじ開けた。
北西部の都市ペシャワルでは国営放送局の建物が放火被害に遭った。