◎セルダル氏は昨年3月の大統領選で選出され、父親に「トルクメニスタン人の指導者」なる称号を授与した。
トルコメニスタンのセルダル(Serdar Berdymukhamedov)大統領は22日、新たに創設された評議会の議長に父親のベルドイムハメドフ(Gurbanguly Berdymukhamedov)前大統領を任命した。
国営テレビによると、セルダル氏は父親を人民評議会(上院)の議長に指名したという。ベルドイムハメドフ氏は約2000人とされる評議会委員にスタンディングオベーションで迎えられた。
セルダル氏は昨年3月の大統領選で選出され、父親に「トルクメニスタン人の指導者」なる称号を授与した。
トルクメニスタンは世界で最も閉鎖的な国のひとつであり、コロナ感染者をひとりも報告しておらず、国内メディアは政府の管理下に置かれている。
ベルドイムハメドフ氏は初代大統領である独裁者のニヤゾフ(Saparmurat Niyazov)氏の後継者として2007年2月に就任。アルカダグ(保護者)という称号を持ち、国民からカルト的な人気を獲得し、自転車に乗りながらピストルを発射したり、議会で重量挙げを披露したり、有名観光地の「地獄の門」の周りをオフロードバイクで疾走する映像を公開するなど、健康で丈夫そうなイメージを発信し続けてきた。
ベルドイムハメドフ氏は2021年に上院としての役割を担う人民評議会の創設に着手し、議長役を務めていた。
人民評議会の委員は政府高官、地域・組合・公共団体の代表で構成される。選挙は行われない。
国営テレビによると、人民評議会は憲法を改正し、国内および外交政策を決定する権限を持つ。ベルドイムハメドフ氏は息子と二人三脚で国を率いるとみられる。
トルクメニスタンの経済は圧倒的な埋蔵量を誇る天然ガスのおかげで比較的順調に成長しており、治安も隣国のアフガニスタンやイランに比べるとはるかに安定している。ただし、ガスに依存している影響で経済の多角化は進んでいない。