◎ワリエワ選手のサンプルは昨年末に採取されたもので、2月7日の団体戦で金メダルを獲得した後、検査結果が公になった。
ロシア紙RBCによると、北京2022冬季五輪のフィギュアスケート団体で金メダルを獲得したROCのカミラ・ワリエワ選手は狭心症の治療に使われる薬を使用し、ドーピング検査で陽性を示したという。
AP通信によると、ワリエワ選手のサンプルは昨年末に採取されたもので、2月7日の団体戦で金メダルを獲得した後、検査結果が公になったとのこと。
トリメタジンは狭心症(心臓への血流が悪くなることで起こる胸の痛み)の治療に使われる薬で、世界アンチ・ドーピング機構はこの薬を興奮剤に指定し、使用を禁止している。2018年の平昌五輪に出場したROCボブスレーチームの選手がこの薬を使用し、8か月間の出場禁止処分を受けている。
ワリエワ選手が心臓に問題を抱えているかどうかは明らかにされていない。
ロシアの選手は2014年のソチ五輪で国家ぐるみの大規模なドーピング使用が発覚して以来、ROC(ロシア五輪委員会)の代表として五輪に出場している。
8日に行われる予定だったフィギュア団体の表彰式は「法的な問題」が発生した影響で中止となり、世界を騒然とさせた。
国際オリンピック委員会(IOC)のマーク・アダムス報道官は9日の記者会見で、「国際スケート連盟との間で法的協議が必要な事案が発生した」と述べた。問題の詳細は明らかにされていないが、アダムス報道官はメダルを獲得した選手が関与していることを認めている。
ワリエワ選手がドーピング違反で失格になれば、米国が金メダル、日本が銀メダル、4位のカナダが銅メダルを獲得することになる。
ドーピングや競技中のトラブルで選手やチームが失格になったり、成績が無効になったりした場合は訴訟に発展する可能性が高く、メダル授与はさらに遅れる可能性がある。スポーツ仲裁裁判所は北京に事務所を設置し、緊急の案件を審理している。
女子個人の金メダル最有力候補であるワリエワ選手は、来週の個人戦への出場も怪しくなってきた。
ロシアのドミトリー・ペスコフ報道官は9日、記者団に対し、「IOCまたは関係者の説明を待ちたいと思う」と述べた。
ワリエワ選手は団体戦で最も強烈な輝きを放った選手であり、ショートプログラムとフリーを制しただけでなく、五輪で女子初の4回転ジャンプを成功させ、チームに最高得点をもたらした。
IOCのアダムス報道官は、「法的な問題の処理には時間がかかる可能性がある」と述べた。