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パキスタン北西部で爆弾テロ、警察官3人死亡、アフガン国境近く

犯行声明を出した組織は確認されていないが、内務省は同国最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)の犯行と断じた。
2024年11月22日/パキスタン、北西部カイバル・パクトゥンクワ州クラム地区(AP通信)

パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州で3日、路上に設置されたIED(即席爆発装置)が爆発し、警察車両が巻き込まれ、警察官3人が死亡した。地元当局が明らかにした。

このテロは過去数日にわたって同州で発生した攻撃のひとつである。

爆発は同州デライスマイルカーンで起きた。亡くなったのは車両に乗っていた警察官で、負傷者も出ているという。

犯行声明を出した組織は確認されていないが、内務省は同国最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)の犯行と断じた。

アフガニスタンと国境を接するカイバル・パクトゥンクワ州と南西部バルチスタン州では近年テロが多発。その多くにTTPと反政府勢力バルチスタン解放軍(BLA)が関与している。

TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切った。

パキスタン当局は現在、この2州と周辺地域で大規模な対テロ作戦を実施中である。

パキスタン政府はアフガンのタリバン暫定政権がTTPを支援していると非難しているが、タリバン側はこれを否定している。

カイバル・パクトゥンクワ州で2日にも州政府職員らを乗せた車両が何者かによる待ち伏せ攻撃を受け、職員1人と護衛2人、通行人1人の計4人が死亡した。

パキスタンとアフガンの国境地帯におけるテロ・暴力の増加はこの数年で顕著になっており、今回の事件もその流れの延長にある。

政府はTTPがアフガン国内の拠点を拠り所に攻撃を続けていると非難し、両国間の緊張が改めて高まっている。

こうした連続する攻撃は治安を維持しようとする警察・治安部隊の負担をさらに重くし、住民の不安を増幅させてきた。

地元警察は現在、現場の爆発物分析や目撃情報の聴取などを進めており、関係者の身元確認と爆弾の入手経路、設置経路の解明を急いでいる。

政府は警察と軍による合同の治安作戦を強化する姿勢を示しているが、根本的な治安改善には時間を要するとの見方もある。

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