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インドネシア東部で旅客船沈没、乗客乗員27人行方不明


地元メディアによると、船長は事故直前、荒天による損傷を船主に連絡していた。
インドネシア、東部の北マルク州、沿岸警備隊の巡視艇(AP通信)

インドネシア東部で30日、旅客船が沈没し、乗客乗員27人の行方が分からなくなっている。地元当局が救助隊を投入して大規模な捜索活動を続けているが、現場海域は悪天候に見舞われ、捜索作業は難航している。

事故は30日夜、東部の北マルク州タリアブ島沖で発生した。沈没したのは小型船「ナジラ05」で、同島を出発し、同州内の沿岸の集落へ向かっていた。船には乗客と乗員合わせて27人が乗っていたとみられ、航行中に高波に襲われ、船首部分が破損したとされる。

地元メディアによると、船長は事故直前、荒天による損傷を船主に連絡していた。その約30分後には船が沈没したとの報告が入り、事態は急速に悪化した。27人は沈没前に小型ボートで脱出したとみられているが、所在は確認されておらず、漂流している可能性が高い。

捜索活動は中部スラウェシ州の救助当局を中心に進められ、救助船のほか、通信機器を備えた部隊やヘリコプターも投入された。さらに地元の漁師も協力し、広範囲にわたって行方不明者の捜索に当たっている。しかし、現場では波が高く潮流も強いため、捜索の難易度は高く、時間との闘いが続いている。

ナジラ05は観光客の輸送にも利用されるなど、この地域で一般的な移動手段として使われていた。インドネシアは1万7000以上の島々から構成される群島国家で、船舶は住民の生活や物流を支える重要なインフラである。その一方で、安全基準の緩さや過積載、悪天候時の運航判断などが問題視されており、海難事故が頻発している。

実際、同国では近年もフェリーや観光船の沈没事故が繰り返し発生しており、多数の死者や行方不明者を出すケースが後を絶たない。こうした背景から、海上交通の安全対策強化は長年の課題となっているが、十分な改善には至っていないのが現状である。

今回の事故では、全員が一度は脱出に成功したとされる点が希望材料であるものの、広大な海域での漂流は生存を脅かす重大な危険を伴う。当局は引き続き捜索を最優先で進めているが、時間の経過とともに状況は厳しさを増している。事故原因の詳細な解明とともに、再発防止に向けた実効的な安全対策の強化が強く求められている。

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