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▽シャリフ氏は核保有国である両国の戦闘が終結し、世界が安堵する中、宿敵インドとの和平交渉に前向きな姿勢を示した。
インドのモディ首相(左)とパキスタンのシャリフ首相(Getty Images)

パキスタンのシャリフ(Shehbaz Sharif)首相は15日、インドとの和平交渉に参加する用意があると表明した。

シャリフ氏は核保有国である両国の戦闘が終結し、世界が安堵する中、宿敵インドとの和平交渉に前向きな姿勢を示した。

一方、インド国防省は15日、国際原子力機関(IAEA)がパキスタンの核兵器を管理すべきと主張した。

インドのジャンムー・カシミール州で観光客が殺害されて以来、両国間の緊張は一気に高まり、本格的な戦争に発展する可能性も出ていたが、両国は10日、米国の仲介を受け、完全かつ即時の停戦に合意した。

この事件はジャンムー・カシミール州近郊の山岳地帯にある観光地で4月22日に発生。正体不明の武装集団が観光客に向けて発砲し、26人が死亡、17人が負傷した。その多くがインド人であった。

インド政府はこの地域に陸軍を派遣し、容疑者を追跡している。

インド政府はこの事件を受け、パキスタン国民に発行したすべてのビザ(査証)を剥奪。パキスタンとの水共有条約を停止するなどの対抗措置を発表した。

パキスタンはインドの外交スタッフの削減、両国間で唯一機能している陸上国境の閉鎖、インドとの水共有条約を停止した。

またパキスタンはインドが所有または運営するすべての航空会社の領空への進入を禁じ、インドとの貿易を停止した。インド側も同様の措置を取っている。

インド政府はこの事件にパキスタン政府が関与したと主張しているが、その証拠は示していない。

インドのシン(Rajnath Singh)国防相はカシミール地方に駐留する軍兵士を前に演説。「核兵器がこのような無責任な”ならず者国家”の手に渡っても安全なのだろうか?私はパキスタンの核兵器はIAEAの監視下に置かれるべきだと考えている」と語った。

パキスタン外務省はこの発言を非難した。

同省はX(旧ツイッター)への投稿で、「この発言はパキスタンの通常手段によるインドの侵略に対する効果的な防衛と抑止力に対するインドの不安と苛立ちを示している」と述べた。

4月22日のテロ攻撃を起こした武装集団の正体は分かっておらず、捜査が進んでいるかも不明である。

双方はこのミサイル攻撃後、カシミールの境界で激しい銃撃・砲撃戦を繰り広げた。パキスタンは40~50人のインド兵を殺害したと主張している

両国は陸、空、海におけるすべての軍事行動を直ちに停止することで合意した。

地元メディアによると、過去3日間、カシミールの境界で戦闘は報告されていないという。

インドとパキスタンはそれぞれカシミールの一部を管理している。この係争地をめぐる領有権争いが解決する目途は立っていない。

カシミールでは24年9月末頃から暴力事件が急増し、多くの市民が爆弾テロや銃撃戦に巻き込まれてきた。

カシミールの反政府勢力は1989年の武装蜂起以来、中央政府と戦ってきた。カシミールで生活するイスラム教徒の多くがパキスタンへの編入か独立という反政府勢力の目標を支持している。

インド政府は2019年、「歴史的大失態」の是正として、70年間に渡って認めてきたジャンムー・カシミール州の自治権を剥奪した。

ジャンムー・カシミール州はインドで唯一、イスラム教徒が多数派の州であり、ヒンズー政策を推進する政府と何度も対立してきた。

インドは21年、射程5000キロの核搭載可能大陸間弾道ミサイル「アグニ5」の発射実験に成功。これは長距離地対地弾道ミサイルである。

インドは1947年にイギリスから独立して以来、パキスタンと3度の戦争を戦ってきた。これらのミサイルはパキスタンの全国土を射程に収めている。

パキスタンも核保有国であり、中長距離ミサイルの開発を進めている。

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