◎首脳会談は「非常に穏やかな雰囲気」の中で行われたとのこと。
2月4日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平 国家主席は北京2022冬季五輪の開幕に先立ち、米国とNATO(北大西洋条約機構)の東欧拡大を非難した。
両首脳はウクライナ東部で進行中の危機について意見を共有し、多くの問題で合意したことを示す声明を発表した。
プーチン大統領は西側諸国がロシアを弱体化させるためにNATOの東方拡大を推進していると述べている。
ロシアは2014年に併合したクリミア半島を含むウクライナの東部国境付近に10万人規模の部隊を配備したと考えられているが、ウクライナへの侵攻を否定している。
プーチン大統領は昨年末、「ロシアとウクライナは一つの国家」と主張し、ウクライナのNATO加盟を禁止するよう米国に要求した。
共同声明はウクライナに直接言及しなかったが、両国はNATOが冷戦時代のイデオロギーを信奉していると非難した。
ロシア外務省によると、首脳会談は開会式に先立ち、「非常に穏やかな雰囲気」の中で行われたという。両首脳が直接顔を合わせるのは約2年振り。
共同声明には、「ロシアと中国の友好関係に限界はなく、協力できない分野はない」と書かれており、中国もウクライナ危機に介入する可能性があると西側諸国に圧力をかける内容になった。
また両国は、米国、イギリス、オーストラリアが昨年9月に結んだインド太平洋地域の新しい安全保障枠組みオーカス(AUKUS)に「深刻な懸念」を表明した。
オーカスはインド太平洋地域の安全保障を強化する努力の一環として、オーストラリアに原子力潜水艦の技術を提供する。
一方、ロシアは共産党の「一つの中国政策」を支持すると発表した。中国は台湾を省のひとつと見なし、統一したいと考えている。しかし、台湾は民主的に選出された指導者と独自の憲法を持つ独立国家であり、西側諸国は統一を阻止すると誓っている。
米国は3日、ロシアはウクライナへの侵攻を正当化する「偽旗作戦」を計画していると明らかにした。当局によると、ロシアは生々しいプロパガンダ映像を制作し、ウクライナに侵攻する口実を準備している可能性があるという。
ロシアは偽旗作戦を否定し、米国はその主張を裏付ける証拠を提供していない。
米国はNATOの同盟国を支援するために、ノルウェー、ルーマニア、ドイツに先発隊約3,000人を派遣している。ロシアはこの決定を「破壊的」と呼び、非難した。
ロシアは2016年にルーマニアに配備された米軍の陸上配備型イージス・システム(イージス・アショア)を安全保障上の脅威のひとつと見なしている。