タイ首都でペートンタン首相に辞任求めるデモ
ペートンタン氏は隣国カンボジアとの対立と電話会談の内容がリークされて以来、圧力に直面している。
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タイの首都バンコクで28日、ペートンタン(Paetongtarn Shinawatra)首相に辞任を求めるデモが行われ、数百人が参加した。
デモ隊は国旗やプラカードを掲げ、バンコク中心部の広場でペートンタン氏を「売国奴」と呼んだ。
広場にある記念碑の周りには巨大なステージが設置され、複数の野党関係者が演説した。
ペートンタン氏は隣国カンボジアとの対立と電話会談の内容がリークされて以来、圧力に直面している。
カンボジアの影の支配者であるフン・セン(Hun Sen)上院議員は27日、3時間を超えるテレビ演説でタイ国境の係争地をめぐる問題に言及。ペートンタン氏とその父親であるタクシン(Thaksin Shinawatra)元首相を罵倒した。
AP通信の取材に応じたデモ参加者は「祖国への愛を表明するために参加した」と語った。
参加者の多くが王室に忠誠を誓う保守派で構成されていた。
報道によると、先週ペートンタン政権から離脱した「タイの誇り党」の党員も参加していたという。
王室派はタクシン政権時代から幾度となく抗議デモを主導。これはやがて暴動化し、2006年と2014年の軍事クーデターにつながった。
野党はペートンタン氏がフン・セン氏に国内情勢について相談し、軍幹部を軽視したことを非難している。
カンボジア政府もペートンタン氏がフン・マネット(Hun Manet)首相ではなく、父親のフン・セン氏とこの問題について協議したことに不満を表明した。
両国は緊張を緩和することで合意したものの、国境に増援部隊を展開したり、交易を制限するなどの措置を講じている。
カンボジア軍は5月28日にタイ国境沿いでパトロールを実施していたところ、タイ側が銃撃したと主張。タイ軍はカンボジア兵が国境沿いの係争地に侵入したため、威嚇射撃を行い、カンボジア兵が反撃したため応戦したと説明している。
この衝突は約10分間続き、カンボジア兵1人が死亡。現地の指揮官が互いに連絡を取り合い攻撃をやめるよう部隊に命じた。
ペートンタン氏は先週、地元メディアがリークした電話会談で、フン・セン氏に対し、「国内で圧力に直面している」と述べ、カンボジアとの国境地帯でタイ軍を監督する将校を含めた「反対派」の意見に耳を傾けないよう求めた。