バングラデシュ総選挙、民主主義の行方を占う重要な局面に
選挙は首都ダッカをはじめ数万の投票所で行われ、厳重な治安体制の下で進められた。開票結果は翌13日に発表される予定だ。
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バングラデシュで12日、2024年の大規模デモでハシナ前政権が崩壊して以来、初の総選挙が行われ、多くの有権者が投票所に足を運んだ。同国の登録有権者数は約1億2700万人、民主主義の行方を占う重要な局面を迎えている。選挙は首都ダッカをはじめ数万の投票所で行われ、厳重な治安体制の下で進められた。開票結果は翌13日に発表される予定だ。
この総選挙は2024年の学生主導の抗議行動でハシナ(Sheikh Hasina)前首相がインドへ逃れて以来、初の国政選挙である。ハシナ氏はインドに亡命中で、その政党・アワミ連盟は選挙から締め出されている。このため選挙戦の構図は大きく変わった。
主要な候補としてはバングラデシュ民族主義党(BNP)のラーマン(Tarique Rahman)氏が挙げられる。同氏は故ジア(Khaleda Zia)元首相の息子であり、17年間の亡命生活を経て昨年12月に帰国した。ラーマン氏は汚職撲滅と国の統一を訴え、次期政権の首班として有力視されている。
対抗勢力としては、イスラム原理主義ジャマート・イ・イスラミ党を中心とする11党連合がある。イスラム系として知られるこの連合は、今回の選挙で勢力拡大を狙って積極的に選挙運動を展開しているが、その保守主義的な立場から女性や少数派の権利への懸念が国内外で指摘されている。
この選挙では憲法改革を問う国民投票も同時に行われた。国民投票では首相の任期制限や二院制導入、司法の独立性強化など、25年7月に成立した憲章に基づく一連の政治改革案が提示されている。支持派はこれを民主主義強化の一環として位置づけるが、複数の改革を一括で問うことへの批判もある。
選挙管理はノーベル平和賞受賞者であるユヌス(Muhammad Yunus)首席顧問が率いる暫定政権が担当している。ユヌス氏は選挙の公正さと透明性を確保することを強調し、国民に積極的な投票参加を呼びかけた。また、選挙監視にはEUやイギリスなどの監視団も参加し、国際社会の注目が集まっている。
一方で、選挙を巡る情勢には依然として緊張が存在する。政権交代の可能性が高まる一方で、政治的対立や保守勢力の台頭を懸念する声も根強い。特に若年層や初めて投票する有権者の影響力が大きく、彼らの動向が選挙結果を左右するとみられている。
今回の選挙はバングラが過去数十年にわたる政治的混迷から脱し、民主的な制度を再構築できるかどうかを問う歴史的な試金石となる。政府関係者やアナリストらは、平和的な投票と円滑な政権移行が実現するかどうかが今後の社会安定と経済発展に直結すると指摘している。
