▽検察は死刑を求刑していた。
インド・西ベンガル州コルカタの裁判所は20日、国立病院の女性研修医が性的暴行を受け殺害された事件について、33歳の被告に終身刑を言い渡した。
この事件は昨年8月に発生。コルカタの大学病院で働く31歳の女性研修医がキャンパス内で殺害された。
警察は翌日、ボランティアで大学の警備を行っていた男を逮捕した。
地元メディアによると、被告は控訴する見通し。被告は一貫して無実を主張している。
警察は24年8月9日、大学のセミナーホールで血まみれの女性の遺体を発見。検死の結果、被害者は性的暴行を受け、首を絞められて窒息死したことが確認された。
検察によると、女性の体内から被告の精液が検出されたという。
検察は死刑を求刑していた。地元メディアによると、被害者の家族も死刑を望み、被告以外にも事件に関与している者がいると主張しているという。
この事件に抗議するデモは全国に拡大し、一部が暴徒化。警察と衝突し、逮捕者も出た。
最高裁判所はこの事件を受け、職場における医療従事者の安全を確保するため、医師などからなる全国タスクフォースを設置した。
このタスクフォースは現在、全国の医療従事者を保護するためのガイドラインを作成している。
インドは「レイプ大国」と呼ばれるほどレイプ事件が後を絶たず、2020年にダリットの女性が集団レイプされ死亡した事件は全国規模の抗議デモに発展した。
国家犯罪記録局(NCRB)によると、22年に全国で確認されたレイプ事件は3万1516件、21年から20%増加したという。これは認知された件数であり、実際はもっと多いと推定されている。