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▽現場はアフガニスタン国境に近いジャムルドの住宅街。医療従事者を警護していた男性警察官が複数人に撃たれ、死亡した。
パキスタン、ポリオワクチン接種を行う医療従事者と警察官(Getty Images)

パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州でポリオワクチン接種の警護に当たっていた警察官が正体不明の武装集団に射殺された。警察が3日、明らかにした。

それによると、現場はアフガニスタン国境に近いジャムルドの住宅街。医療従事者を警護していた男性警察官が複数人に撃たれ、死亡した。

犯行声明を出した組織は確認されていないが、同国最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)に疑惑の目が向けられている。

ポリオは脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、5歳以下の児童がかかることが多く、麻痺などを引き起こし、死に至ることもある。

死亡率はワクチン未接種の小児で2~5%、成人は15~30%、特に妊婦は重症化リスクが高い傾向にある。

パキスタンと隣国アフガニスタンは世界で唯一、ポリオを根絶できていない。

政府は昨年から全国ポリオワクチン接種キャンペーンを実施中。数千人の警察官を配備し、家々を回って子供たちにワクチンを接種する保健員を保護している。

パキスタンでは1990年代以降、このキャンペーンに参加した200人以上の医療従事者や護衛の警察官などが殺害されている。

昨年12月にはカイバル・パクトゥンクワ州でキャンペーンの警護に当たっていたパトカーが道路脇に設置され爆弾の爆発に巻き込まれ、警察官3人が死亡、2人が負傷した。

シャリフ(Shehbaz Sharif)首相は2日、医療スタッフや国際援助機関の代表者と会談し、ポリオとの戦いに勝利すると誓った。

今回のキャンペーンは3日から始まり、5歳以下の子供約4420万人にワクチンを接種する予定だ。

イスラム過激派や武装勢力は米CIA(中央情報局)が国際テロ組織アルカイダの創設者ビンラディン(Osama bin Laden)を追跡する際に偽のワクチン接種活動を行ったことで、ポリオワクチンを敵視するようになった。

過激派はワクチンを「西洋の陰謀」「イスラム教徒を不妊化するウイルス」などと呼び、医療従事者らを標的にしている。

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