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▽議会下院(定数316)は5日、サラ氏の弾劾決議案を3分の2以上の賛成多数で可決し、上院(元老院、定数24)に送った。
2025年2月7日/フィリピン、首都マニラ、サラ・ドゥテルテ副大統領(ロイター通信)

フィリピンのサラ・ドゥテルテ(Sara Duterte)副大統領は7日、弾劾決議案の採決に先立ち、弁護団に父親であるドゥテルテ(Rodrigo Roa Duterte)前大統領を迎え入れる用意があると表明した。

サラ氏は記者会見で昨年から弾劾裁判の準備を進めてきたと強調。決議案には目を通していないが、弁護団が上院での審議に向け準備を進めていると明らかにした。

またサラ氏は「興味があるのであれば、父親の弁護団入りを歓迎する」と述べた。

議会下院(定数316)は5日、サラ氏の弾劾決議案を3分の2以上の賛成多数で可決し、上院(元老院、定数24)に送った。

上院議長は弾劾決議案の採決時期について、「5月の上院選挙で12議席が改選された後になる」という見通しを示している。

サラ氏は記者から「辞任も選択肢のひとつか?」問われると、「まだ先のことだ」とだけ答えた。

サラ氏は昨年11月、自身が暗殺された場合、マルコス・ジュニア(Ferdinand Marcos Jr.)大統領とその妻、下院議長を殺害するために暗殺者と契約を結んだと明らかにした。

当局はこの事態を受け、サラ氏に召喚状を送り、マルコス・ジュニア氏との争いの詳細を明らかにするよう命じた。

マルコス・ジュニア氏とサラ氏は22年の大統領選で勝利して以来、何度も対立してきた。フィリピンでは副大統領も選挙で選出するため、同国を代表する2つの勢力がポストを占める結果となった。

マルコス家とドゥテルテ家はフィリピンで最も強力な一族であり、激しい権力争いを繰り広げてきた。

今回の暗殺論争の背景にはサラ氏の父であるドゥテルテ氏とマルコス・ジュニア氏の確執がある。マルコス政権は国際刑事裁判所(ICC)の要請に応じ、ドゥテルテ氏の身柄引き渡しを検討している。

またサラ氏は公的資金を不正に使用し、説明のつかない富を蓄えたという疑惑にも直面している。サラ氏はこれらの疑惑を全て否定している。

サラ氏は会見の中で、「大統領を暗殺すると脅迫したつもりはない」と繰り返した。

またサラ氏は父親が弁護団に加わることを歓迎するとした。ドゥテルテ氏は元検察官であり、2016~22年まで大統領を務めた。

上院における弾劾決議案の可決には3分の2以上の賛成が必要である。

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