◎米国の司法当局も3年前に強要による性売買、詐欺、児童の性売買、現金密輸などの罪でクイボロイ容疑者を起訴している。
フィリピンのキリスト教系新興宗教「キングダム・オブ・ジーザス・クライスト、ザ・ネーム・アバブ・エブリ・ネーム」の教祖クイボロイ(Apollo Carreon Quiboloy)容疑者が13日、首都マニラの裁判所に出廷し、無罪を主張した
クイボロイ容疑者の弁護士は罪状認否の後、記者団に対し、「依頼人は人身売買や性的虐待を含むすべての容疑で無罪を主張した」と語った。
クイボロイ容疑者は今週、南部の宗教施設で2000人以上の警察官に取り囲まれた後、自首し、マニラに移送された。
容疑者の弁護士は記者団に対し、「彼は無実であり、それを証明できる自信がある」と語った。公判前審問は10月に予定されている。
クイボロイ容疑者と4人の共犯者は記者団が群がる中、罪状認否予定時刻の約45分前に裁判所前に到着した。
容疑者は手錠をかけられ、オレンジ色のシャツ、防弾ヘルメット、ベストを着用。記者の1人から「信者にメッセージはあるか」と問われると、「強くあれ、強くあれ」と答えた。
被害者の1人とされる人物の弁護士は記者会見で、「クイボロイとその共犯者の犯罪行為に関する真実は、最終的にすべて明らかになると確信している」と述べた。
容疑者は別の裁判でも児童虐待の罪に問われている。
キングダム・オブ・ジーザス・クライスト、ザ・ネーム・アバブ・エブリ・ネームはウェブサイトで、クイボロイ容疑者が1985年に創設して以来、200か国に600万人の信者がいると主張している。
米国の司法当局も3年前に強要による性売買、詐欺、児童の性売買、現金密輸などの罪でクイボロイ容疑者を起訴している。
それによると、容疑者は未成年者を含む信者に食事の準備や住居の掃除だけでなく、マッサージや性行為を強要したという。
マルコス・ジュニア(Ferdinand Marcos Jr.)大統領は9日、容疑者を米国に引き渡すかという質問に対し、「フィリピンで裁判にかけられることは確かだ」と強調。現時点で容疑者を引き渡すことは考えていないと述べた。
クイボロイ容疑者は今年初め、裁判所から児童虐待と性的虐待、人身売買の疑いで告発された後、潜伏していた。