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▽暴れん坊のドゥテルテ氏は組織的な取り締まりを開始した2019年にICCから脱退。ICCへの協力を拒否していた。
フィリピン、銃を構えるドゥテルテ大統領(Getty Images)

フィリピン政府は10日、ドゥテルテ(Rodrigo Roa Duterte)前大統領が国際刑事裁判所(ICC)の逮捕状に基づき、首都マニラの空港で逮捕されたと発表した。

マルコス・ジュニア(Ferdinand Marcos Jr.)大統領の報道官は声明で、「ICCからドゥテルテ氏の逮捕状の写しを受け取った」と明らかにした。

それによると、ドゥテルテ氏は訪問先の香港からマニラの空港に到着した直後に逮捕されたという。

ドゥテルテ氏は在任時、ハリウッドスターのクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)さんが演じた法律をほとんど考慮しない映画キャラクター「ダーティハリー」を模して「ドゥテルテハリー」と呼ばれ、麻薬組織に対する数千件の超法規的殺人を容認し、軽微な犯罪を含む薬物関連の被疑者6000人以上を殺害した。

人権団体はこの取り締まりによる犠牲者の数を1万人以上と推定している。

ドゥテルテ氏は麻薬使用者の処刑を容認していないものの、麻薬組織の構成員は「容赦なく殺す」と脅し、摘発に抵抗する容疑者を射殺するよう警察に命じた。

ICCは数千人のフィリピン人を殺害した血生臭い「ドゥテルテ麻薬戦争」を主導したドゥテルテ氏が「人道に対する罪」を犯したとして、捜査を進めてきた。

ドゥテルテ氏は9日、香港で「ICCが令状を発行すれば逮捕される用意がある」と発言。麻薬戦争を擁護した。

現地メディアによると、ドゥテルテ氏はマニラ市内の警察署に連行されたという。

地元テレビ局はドゥテルテ氏の顧問弁護士の話しとして、「逮捕は違法であり、警察はドゥテルテ氏との面会を許さなかった」と伝えている。

暴れん坊のドゥテルテ氏は組織的な取り締まりを開始した2019年にICCから脱退。ICCへの協力を拒否していた。

ドゥテルテ政権の凄まじい取り締まり後も同国の麻薬問題は解決せず、悪化していると指摘する専門家もいる。

ドゥテルテ氏は大統領選期間中、3~6カ月で麻薬を根絶すると公言していたが、就任後、この問題を過小評価していたと認めた。

警察は反麻薬作戦で6200人が銃撃戦の末に死亡したと報告している。しかし、人権団体は非武装の麻薬使用者数千人も不可解な状況で殺害されたと主張してきた。

警察は組織的に超法規的殺人が行われたという人権団体の告発を否定している。

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