◎フィリピンの大統領選挙は2022年5月9日に実施される予定。
9月8日、フィリピンの与党PDP–ラバンは、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領を次の選挙の副大統領候補に指名すると発表した。
フィリピンの大統領選挙は2022年5月9日に実施される予定。
フィリピンの憲法は大統領の任期を1期6年限りとしている。2人の元大統領は下級公職に就くことを許可されたが、副大統領に就任した者はまだいない。副大統領候補は法律に基づき、大統領候補とは別に選出され選挙を戦うことになる。
ドゥテルテ大統領は8日に開催されたPDP–ラバンの全国集会の中で、「私はフィリピンの人々に奉仕し続けることを望んでいる」と語った。「私は副大統領として指導力を発揮できるようになることを望んでいます。フィリピンはさらにより良く進歩しなければなりません...」
フィリピンの主要メディアは、「ドゥテルテ大統領は現在の体制を維持するために、自分より格下の次期大統領候補を求めるだろう」と報じた。
ドゥテルテ大統領はPDP–ラバンのボン・ゴー上院議員の大統領選への立候補を求めていたが、ゴー上院議員は8日の会見で指名を辞退すると発表した。
現地メディアによると、PDP–ラバンはゴー上院議員に再考を促したという。
一方、大統領選に関する最新の世論調査によると、回答者の大多数はドゥテルテ大統領の娘であるサラ・ドゥテルテを次期大統領に推しているという。
サラ・ドゥテルテ氏は現在、ダバオ市の市長を務めており、2018年に設立した地域NHP党に所属している。
ゴー上院議員は全国集会の中で、「2022年の大統領選挙に興味はなく、議員としてフィリピンに奉仕することを望んでいる」と語った。
ドゥテルテ大統領は「犯罪者を粉砕し、フィリピンの薬物危機を終結させる」という政権公約を前面に押し出し、2016年の大統領選挙に勝利した。しかし、ドゥテルテ大統領の指示を受けた警察当局の超法規的殺人は世界で物議を醸し、強い懸念を引き起こした。
国際刑事裁判所は今年6月、フィリピンの麻薬戦争に関連する殺人の完全な調査を開始すると発表した。
人権NOGのアムネスティ・インターナショナルによると、今年の上半期だけでフィリピンの市民少なくとも7,000人以上が警察または民兵と思われる勢力の攻撃を受け殺害されたという。当局の薬物に対する厳しい取り締まりは、麻薬組織を嫌悪する民兵や未知の武装者の活動を促したと信じられている。
大統領候補のひとりと目されているマニー・パッキャオ上院議員の派閥は、今年後半に大規模な集会を開催する予定。
約20年にわたって権力を掌握した独裁者のフェルディナンド・マルコス元大統領の息子であるボンボン・マルコス氏も大統領選に立候補する予定と伝えられている。マルコス元大統領は1986年の革命で打倒され、亡命先のハワイで亡くなった。