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フィリピン・マヨン山の活動活発化、3000人避難、噴火警戒レベル引き上げ

フィリピン火山地震研究所(PHIVOLCS)はこれまで比較的穏やかな状態にあったマヨン山の活動が活発化し、噴火が続いているとして、噴火警戒レベルを5段階中の「3」に引き上げた。
フィリピン、アルバイ州のマヨン山(Getty Images)

フィリピン・アルバイ州にあるマヨン山の活動が活発化し、当局は7日までに周辺の住民約3000人を避難させた。フィリピン火山地震研究所(PHIVOLCS)はこれまで比較的穏やかな状態にあったマヨン山の活動が活発化し、噴火が続いているとして、噴火警戒レベルを5段階中の「3」に引き上げた。これにより、噴火の可能性が高まっているとして、危険区域内の住民に避難命令が出された。

マヨン山はルソン島南東部に位置し、標高約2462メートルのほぼ完璧な円錐形をした火山である。1616年以降、これまでに54回の噴火を記録し、フィリピン国内で最も活発な火山の一つとなっている。警戒レベル3はマグマの移動や噴火兆候が顕著で、将来的に噴火が起こる可能性が高いと判断される段階である。

当局が設けた危険区域(火口から半径約6キロメートル)内に暮らす住民には数年前から避難勧告が出されているが、多くの人々が生活や農地のために居住を続けていた。今回、軍や警察、災害対応チームが支援して約2800人が対象区域から退去し、さらに区域外で自主的に避難した人々を含めて総数約3000人が政府運営の避難所などに移動した。

PHIVOLCSは声明で、マヨン山について、「小規模な噴火が続いている」と指摘。火口のドーム状の溶岩が膨張し、一部が亀裂を生じて大小の岩塊が崩れ落ちている状況を説明した。それによると、現在の活動が大規模な爆発的噴火に至るかどうか判断するにはまだ不十分で、火山性地震の急増や二酸化硫黄の多量放出といった指標・兆候は確認されていないという。

しかし、溶岩の蓄積と岩屑の崩落は続いており、当局は今後さらなる噴火や火砕流、溶岩流の発生に警戒を強めている。また、降雨時には泥流(ラハール)や洪水の危険性も増すとして住民に注意を促している。マヨン山は太平洋火山帯に位置し、地震や火山噴火などの自然災害リスクが高い地域であるため、継続的な監視が必要とされる。

アルバイ州政府は避難した住民の支援体制について、地方自治体と中央政府が連携して食料や医療などの基本的な生活支援を行っていると述べた。避難が長期化する可能性があるものの、現時点で大きな混乱やトラブルは報告されていないという。

同州および周辺自治体では、観光や採石など経済活動もマヨン山の周辺で行われてきたため、住民の避難は地域経済にも影響を及ぼす可能性がある。政府は安全確保を最優先しつつ、今後の噴火予測や避難計画の見直しを進める方針だ。マヨン山の動向は、フィリピン国内だけでなく国際的にも注目を集めている。

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