◎乗組員20人は付近を航行していた貨物船に救助され、ケガはなかった。
フィリピン当局は2日、中部・東ミンドロ州沖で沈没したタンカーから産業用燃料油が漏れ、少なくとも7つの沿岸町が遊泳・漁業を禁止していると発表した。
沿岸警備隊によると、乗組員20人と産業用燃料約80万リットルを積んだMTプリンセス・エンプレス号は先月28日にトラブルに見舞われ、まもなく沈没したという。
乗組員は付近を航行していた貨物船に救助され、ケガはなかった。
沿岸警備隊によると、油流出は1日に確認され、長さ約6km、幅約4kmの範囲に影響を与えているという。
州政府の災害担当者はオンライン記者会見で、「流出は南部の7つの町に広がり、海岸から5kmの範囲で遊泳と漁業を禁じている」と述べた。
地元メディアによると、被害を受けた町には数十のビーチリゾートが立ち並び、漁場を保護する取り組みを進めている14の海域に油が接近しているという。
報道官は、「一部地域の住民から悪臭がするという情報が入っている」と明らかにした。
国営テレビ局PTVによると、ある海岸では産業油とみらえる黒く粘着性のあるヘドロが採取されたという。
沿岸警備隊は現場海域でサンプルを採取し、タンカーの産業油と燃料が漏れていることを確認した。漏れた量は不明としている。
警備隊は声明で、「タンカーの沈没地点を特定しているが、その中に残っている油を回収することは難しい」と説明した。
警備隊員は吸着ブームを設置し、沿岸の町や集落を保護するために油分散剤を撒いた。PTVによると、海岸では州政府の依頼を受けた業者が監視と清掃に当たっているという。