◎捜査当局はサラ氏に対し、29日に国家捜査局に出頭し、一連の脅迫疑惑について説明するよう求めている。
フィリピンの捜査当局は26日、サラ・ドゥテルテ(Sara Duterte)副大統領の事務所に召喚状を送り、マルコス・ジュニア(Ferdinand Marcos Jr.)大統領との「仁義なき戦い」の詳細を明らかにするよう命じた。
サラ氏は先週、自身が暗殺された場合、マルコス・ジュニア氏とその妻、下院議長を殺害するために暗殺者と契約を結んだと明らかにした。
国民は映画のような展開に驚愕。SNSには「大統領vs副大統領」「頂上決戦へ」「リングで殴り合え」などといった投稿が数えきれないほど寄せられた。
サラ氏の暗殺を企てている可能性があるマルコス・ジュニア氏は25日、サラ氏との決選が迫る中、法の支配を守ると誓った。
警察と軍も深刻な懸念を表明。マルコス・ジュニア氏の警備を強化したが、サラ氏の命が狙われているという疑惑についてはコメントしていない。
サラ氏はオンライン会見の中で、「私の命が狙われていることを知ってほしい」と述べていた。
しかし、マルコス政権はサラ氏の発言を「茶番」と呼んだ。
サラ氏はこれに反発し、「私のような政権を批判する者は命を狙われたり、迫害されることになり、政府はその努力を今も続けている」と主張した。
捜査当局はサラ氏に対し、29日に国家捜査局に出頭し、一連の脅迫疑惑について説明するよう求めている。
SNSには「世界最強のスナイパーが副大統領を狙っている」「陸軍が副大統領暗殺を画策か」などといった不確かな情報が拡散している。
サラ氏は25日、当局の捜査に応じる用意があると述べたが、マルコス政権に対しても、政府の不正疑惑など、自身の質問に答えるよう要求した。
フィリピンの刑法は公の場で個人やその家族に害をもたらすと発言した場合、懲役刑に処される可能性がある。
サラ氏は自身が狙われているという発言に関して説明していない。
マルコス・ジュニア氏は2022年5月の選挙でドゥテルテ(Rodrigo Roa Duterte)前大統領の娘であるサラ氏とタッグを組み、地滑り的勝利を収めた。
しかし、2人とその陣営は南シナ海の係争地における中国へのアプローチなどをめぐって対立。サラ氏は6月に教育相を辞任した。
サラ氏は父親と同様、マルコス・ジュニア氏と妻、その盟友である下院議長を声高に批判するようになった。