◎ドゥテルテ氏は79歳。2016年に大統領に就任するまで、約20年間ダバオの市長を務めた。
フィリピン、銃を構えるドゥテルテ大統領(Getty Images)

フィリピンドゥテルテ(Rodrigo Roa Duterte)前大統領がミンダナオ島ダバオの市長選に立候補した。現地メディアが7日に報じた。

それによると、ドゥテルテ氏はダバオの選管事務所に必要書類を提出したという。

ドゥテルテ氏は79歳。2016年に大統領に就任するまで、約20年間ダバオの市長を務めた。

報道によると、ドゥテルテ氏の息子である現職のセバスチャン(Sebastian Duterte)市長が同市の副市長選に立候補する予定だという。

ドゥテルテ氏は在任時、ハリウッドスターのクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)さんが演じた法律をほとんど考慮しない映画キャラクター「ダーティハリー」を模して「ドゥテルテハリー」と呼ばれ、麻薬組織に対する数千件の超法規的殺人を容認し、軽微な犯罪を含む薬物関連の被疑者6000人以上を殺害。西側諸国と人権団体の強い懸念を引き起こした。

人権団体はこの取り締まりにより犠牲者の数を1万人以上と推定している。

ドゥテルテ氏は麻薬使用者の処刑を容認していないものの、麻薬組織の構成員は「容赦なく殺す」と脅し、摘発に抵抗する容疑者を射殺するよう警察に命じた。

しかし、ドゥテルテ政権の凄まじい取り締まり後も、同国の麻薬問題は解決せず、悪化していると指摘する専門家もいる。ドゥテルテ氏は大統領選期間中、3~6カ月で麻薬を根絶すると公言していたが、就任後、この問題を過小評価していたと認めた。

フィリピンは2019年に国際刑事裁判所(ICC)から脱退。これは説明責任を逃れようとする試みだと批判されている。

ドゥテルテ氏は2年前、政界から引退すると表明したが、その後、公の場で何度もこの発言を撤回していた。

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