フィリピンのサラ副大統領、2028大統領選に出馬へ、弾劾圧力も
サラ氏は2022年の大統領選でマルコス・ジュニア氏と手を組み勝利を収めたが、その後両者の関係は急速に悪化した。
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フィリピンのサラ・ドゥテルテ(Sara Duterte)副大統領は18日、2028年に実施される大統領選挙への出馬を正式に表明した。サラ氏はテレビ演説の中で出馬の意向を明らかにし、マルコス・ジュニア(Ferdinand Marcos Jr.)大統領の統治について汚職や行政の失敗を批判したが、同時に弾劾手続きや刑事告発など政治的な逆風にも直面していることを認めた。
サラ氏は2022年の大統領選でマルコス・ジュニア氏と手を組み勝利を収めたが、その後両者の関係は急速に悪化した。サラ氏は演説で「腐敗と誤った政策運営」で国が苦しんでいるとマルコス政権を非難し、物価高騰や医療制度の不備、汚職問題への対応の遅れを例に挙げた。またサラ氏は「現政権は私の評判を破壊してきたが、闘う用意がある」と述べ、意気込みを示した。
サラ氏の出馬表明は、複数の弾劾訴追や刑事告発が進行中であるという政治的背景の中で行われた。今月提出された刑事告発は、副大統領室および前職として務めた教育相時代の資金約1030万ドルの違法使用や不適切な資金処理を巡るもので、個人口座に不明な資産があるとの疑惑も含まれている。また、2024年のオンライン記者会見でサラ氏がマルコス・ジュニア氏や国会議長らを殺害すると脅したとされる発言も訴追理由の一部として引用されている。これで有罪となれば公職追放の可能性がある。
前回の弾劾決議案では、下院がこれを可決したが、その後、上院審理は違憲として最高裁判所がこれを却下した。今月提出された刑事告発はサラ氏にさらなる圧力をかけている。サラ氏の弁護団はこれらの告発は根拠がなく、公正な審査で無罪が明らかになるとして強く反論している。
サラ氏は父親であるドゥテルテ(Rodrigo Roa Duterte)前大統領が「麻薬戦争」を巡る人道に対する罪で国際刑事裁判所(ICC)に拘留されていることを受け、家族への「政治的迫害」を理由にマルコス政権を批判してきた。ドゥテルテ一族はマルコス・ジュニア氏が拘束を主導したと非難し、国内政治の緊張が高まっている。
政治アナリストはサラ氏の早期出馬表明について、告発・刑事捜査といった政治的逆風への対応策として、支持基盤を固める狙いがあると分析している。サラ氏は南部で根強い支持を持つ一方で、他の主要政党や野党勢力も候補者選定を進め、政治的対立は今後さらに激化する可能性があるとの見方が出ている。
サラ氏の出馬表明はフィリピン国内の政治情勢を一段と揺さぶる出来事となっており、来たるべき大統領選挙に向け、戦いが激しくなることが予想される。
