◎WTAは2019年シーズンに中国で9つのトーナメントを開催した。
2020年1月21日/オーストラリア、メルボルンで開催された全豪オープンテニス選手権、中国の彭帥(ポン・シュアイ)選手(Andy Brownbill/AP通信)

12月1日、女子テニス協会(WTA)のスティーブ・サイモンCEOは、中国のプロテニス選手である彭帥(ポン・シュアイ)選手の失踪事件が解決しないことを受け、中国で行われるWTAトーナメントを中止すると発表した。

サイモンCEOは声明の中で、「2022年に中国で行われるトーナメントの出場選手とスタッフはリスクに直面する可能性がある」と述べ、深刻な懸念を表明した。「中国の指導部はこの問題にまともに対処していません...」

サイモンCEOは、「中国は女性の声を抑え、性的暴行の申し立てを一掃しようとしている」と述べ、WTAは女性の権利を保障しない国でトーナメントを開催することはできないと強調した。

この措置には香港のトーナメントも含まれる。

彭帥 選手は先月2日、共産党の政治局常任委員会のメンバー兼元副首相である張高麗(ちょうこうれい)氏に7年前に性的暴行を受け、3年前にはテニスの試合後にセックスを強要されたと告白し、行方不明になった。

失踪事件は広範な懸念と怒りを引き起こし、国連、米国、世界のスポーツ選手、テニス協会、主要な人権団体が彭帥 選手と家族の安全を保障し、その証拠を提供するよう中国共産党に求めた。

国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は彭帥 選手とオンラインで対話したことを明らかにし、当時の写真を公開したが、音声データは公表されていない。

バッハ会長は声明の中で、「彭帥はうまくやっており、元気だ」と述べたが、WTAはIOCが公開した写真を「証拠不十分」で却下し、主要な人権団体は中国のプロパガンダに協力した容疑でバッハ会長を厳しく非難した。

WTAの中国トーナメントはコロナウイルスの影響でこの2年開催されていない。

WTAの運営は中国の投資に大きく依存しており、国内で多くのトーナメントを開催している。中国は2019年シーズンにWTAファイナルズを含む9つのトーナメントを開催し、賞金総額は3,000万ドル(約34億円)を超えた。

サイモンCEOは声明の中で、「この決定に至ったことを残念に思うが、中国の指導部はWTAから離れた」と述べた。「指導部が措置を講じない限り、中国トーナメントは開催しません。WTAは中国がこの問題に合法的に取り組むことを期待しています...」

EUは11月30日の声明で彭帥 選手の安否に懸念を表明し、「検証可能な証拠が示されることを望んでいる」と述べた。「彼女は公の場に姿を見せていません...」

2018年に政界を引退した張高麗は問題に対処していない。

中国共産党とIOC主催の北京2022冬季五輪は2022年2月4日に開幕する予定。

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