◎州都クエッタとその周辺で発生した3つのテロ攻撃では50人以上が死亡、そのほとんどが民間人であった。
2024年8月26日/パキスタン、南西部バルチスタン州クエッタ、武装集団の攻撃で負傷した男性と関係者ら(AP通信)

パキスタン南西部バルチスタン州の反政府勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」が25日から26日にかけて発生したテロ攻撃の犯行声明を出し、「さらに激しく、広範囲に及ぶ攻撃に打って出る」と警告した。

州都クエッタとその周辺で発生した3つのテロ攻撃では50人以上が死亡、そのほとんどが民間人であった。

地元メディアによると、BLAはSNSと公式ウェブサイトに犯行声明を掲載。「市民には一切危害を加えていない」と主張し、厳しい訓練を受けた800人の精鋭が治安部隊との戦闘に参加したと述べた。

陸軍はこのテロに関与した25人の反政府勢力を殺害したと報告している。

バルチスタン州では四半世紀ほど前から政府と分離主義勢力による紛争が続いており、BLAなどの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に要求。その後、独立を求めて反乱を起こした。

専門家によると、BLAは同州で最も組織化された反乱軍のひとつであり、迫撃砲、ロケットランチャー、地雷、IED(即席爆発装置)などによる待ち伏せ攻撃を多用している。

シャリフ(Shehbaz Sharif)首相は27日の閣議で、BLAと和平交渉は行わないと強調した。

内務省の報道官もクエッタの記者団に対し、「大規模な掃討作戦を実施する必要はなく、州警察だけで問題に対処できると確信している」と語った。

パキスタンでは近年、イスラム過激派によるテロ攻撃が相次いでおり、その多くがアフガニスタンと国境を接するバルチスタン州と北西部カイバル・パクトゥンクワ州で発生している。

陸軍は27日、カイバル・パクトゥンクワ州ペシャワル近郊の地区で銃撃戦があり、兵士4人が死亡したと明らかにした。

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