◎イスラマバードのデモ隊に対する警察の武力行使はバルチスタン州市民の怒りに火をつけ、全国規模のデモに発展。国外のNGOや人権活動家も「言語道断」「とんでもない暴挙」と糾弾した。
2023年12月25日/パキスタン、南西部バルチスタン州、警察に拘束されたデモ隊の解放を求める人々(Anjum Naveed/AP通信)

パキスタン警察は25日、先週首都イスラマバードで抗議デモを行おうとして逮捕されたバルチスタン州の活動家290人を解放した。

地元メディアによると、南西部バルチスタン州の活動家たちは21日、同州でイスラム過激派の暴力が蔓延していることに抗議するため、イスラマバードに入ったという。

デモ隊はほとんど女性で、7~12歳の子供も含まれていた。治安部隊は非武装のデモ隊に放水砲を見舞い、鎮圧。290人を逮捕した。

デモ隊は先月バルチスタン州で警察に拘束された後に死亡した24歳の男性に連帯を示し、国家警察に捜査を要求していた。

バルチスタン州当局によると、正体不明の武装勢力がこの男性を乗せた警察車両に待ち伏せ攻撃を仕掛け、男性を射殺したという。

警察は男性が逮捕時、爆発物を所持していたと報告している。

しかし、男性の家族はこれを否定。「警察は治安改善を求める人権活動家を恣意的に逮捕している」と非難した。

イスラマバードのデモ隊に対する警察の武力行使はバルチスタン州市民の怒りに火をつけ、全国規模のデモに発展。国外のNGOや人権活動家も「言語道断」「とんでもない暴挙」と糾弾した。

バルチスタン州では四半世紀ほど前から国軍と分離主義勢力による紛争が続いている。分離主義勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」などの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に求めていたが、後に独立を求めて反乱を起こした。

人権活動家によると、バルチスタン州の独立を支持する市民は警察の捜査対象となり、突然逮捕されたり、行方不明になったりすることがあるという。

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