◎デモ隊は石や瓶を投げつけ、パトカーに火を放った。
パキスタン南部シンド州カラチで13日、市民が地元メディアの建屋に押し寄せ、機動隊と衝突した。
イスラム原理主義組織「パキスタン・ラバイク運動(TLP)」の支持者約2000人は冒とく罪で逮捕された容疑者が殺害された事件に抗議するデモを警察が許可したことに反対するため、市内の記者クラブに突撃しようとした。
機動隊はこれを見越して通りにバリケードを設置。デモ隊に催涙ガスを撃ちこみ、警棒を振り回した。
デモ隊は石や瓶を投げつけ、パトカーに火を放った。
TLPは声明で「機動隊の暴力により、党員1人が死亡した」と発表。機動隊は少なくとも20人を公務執行妨害や放火罪で逮捕した。
シンド州政府は「警察が市民団体とTLPが同じ日に予定しているデモを許可したため、乱闘になるのではないかと恐れていた」と声明を出した。
また同政府は首都イスラマバードで15日に上海協力機構首脳会議が開催されることに言及。「政治家がこのような暴動を主導するなど言語道断である」と断じた。
TLPはイスラム教を侮辱した者に死刑を求刑する冒とく法を強く支持している。
イスラム国家で予言者ムハンマドや聖典コーランを冒とくすることは死罪に当たる。パキスタンの刑法も冒とく罪の最高刑を死刑としているが、実際に冒とく罪で死刑が執行されたことはない。
パキスタンでは冒とく罪で逮捕された容疑者が暴徒にさらわれ、処刑される事件が多発している。