◎カイバル・パクトゥンクワ州では政府と「パキスタンのタリバン運動(TTP)」との停戦協定が破綻して以来、テロ攻撃が相次いでいる。
パキスタンの警察当局は24日、北西部カイバル・パクトゥンクワ州のスワート渓谷にある警察施設で2回爆発があり、少なくとも12人が死亡、50人が負傷したと発表した。
州警察によると、爆発が起きたのは警察の対テロ対策施設。1回目の爆発の後、大規模な爆発が確認された。
AP通信は関係者の話しとして、「亡くなったのは全員警察官とみられ、負傷者は地元の病院に搬送され手当てを受けている」と報じた。
地元メディアによると、犯行声明を出した組織は確認されていない。同州では政府と「パキスタンのタリバン運動(TTP)」との停戦協定が破綻して以来、テロ攻撃が相次いでいる。
州警察は同日、機動隊が近郊の地区にある過激派の拠点を取り締まり、銃撃戦の末、テロリスト3人と警察官1人が死亡したと報告した。
この取り締まりと警察署の爆発が関連しているかどうかは不明。
州警察の報道官によると、テロ対策施設の一部が爆発の衝撃で倒壊し、死者数はさらに増える可能性があるという。
また報道官は「現時点で外部から攻撃を受けた兆候はみられず、捜査を進めている」と説明した。
シャリフ(Shahbaz Sharif)首相はこの爆発を「自爆攻撃」と呼んだものの、その後、「警察があらゆる可能性を考慮して捜査している」とツイートした。
スワート渓谷はかつて、イスラム過激派に支配され、厳格なシャリア(イスラム法)の管理下に置かれていた。政府は2007年にこの地区の過激派を一掃し、平穏を取り戻した。
TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPはカイバル・パクトゥンクワ州の南ワジリスタンや南西部バルチスタン州に拠点を置き、現在はアフガンの山岳地帯に潜伏している。