◎現場は州都ペシャワル中心部の地区。警察官が現場に駆け付けると、数百人の暴徒が男性の自宅を取り囲んでいた。
パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州でイスラム教の聖典コーランを冒とくした男性が逮捕された。警察が19日、明らかにした。
それによると、「コーランを冒とくした男性が処刑される可能性がある」という通報が警察に入ったという。
現場は州都ペシャワル中心部の地区。警察官が現場に駆け付けると、数百人の暴徒が男性の自宅を取り囲んでいた。
警察は暴徒をかき分け、男性を緊急逮捕。何とか警察署に連行した。
ソーシャルメディアに投稿された動画には数百人が警察署近くの道路を占拠し、男を引き渡すよう要求している様子が映っていた。
地元メディアによると、この警察署近くで銃声が数回聞こえたという。死傷者の情報はない。
警察によると、男性は親族の家で兄弟と口論になり、その中でコーランを侮辱したという。
暴徒たちは警察署に石を投げつけ、男を引き渡さなければ火を放つと警告した。
イスラム国家で予言者ムハンマドやコーランを冒とくすることは死罪に当たる。パキスタンの刑法も冒とく罪の最高刑を死刑としているが、実際にそれで死刑が執行されたことはない。
パキスタンでこのような事件は珍しくなく、カイバル・パクトゥンクワ州では6月、怒れる暴徒がペシャワル郊外の刑務所を襲撃し、コーランを侮辱したとして逮捕された男性を拉致。暴徒たちはこの男性を石打の刑に処し、遺体に火を放って路上に放置した。
南部シンド州では9月、冒とく罪で逮捕状が出ていた男性医師を殺害に関与したとして、現職の警察官が逮捕された。