◎カーン被告は2022年の不信任決議で弾劾され、翌年5月に逮捕。現在、150件以上の訴訟を抱え、ラワルピンディの刑務所に収監されている。
パキスタン・イスラマバードの高等裁判所は13日、カーン(Imran Khan、服役中)元首相とその妻への実刑判決を覆し、無罪を言い渡した。
夫妻は婚姻法に違反したとして禁固7年を言い渡されていた。
高裁の判決直後、カーン被告の政党「パキスタン正義運動(PTI)」が声明を発表。「カーン氏が昨年の暴動に関与したとして、捜査当局に逮捕された」と明らかにした。
カーン被告は2022年の不信任決議で弾劾され、翌年5月に逮捕。現在、150件以上の訴訟を抱え、ラワルピンディの刑務所に収監されている。
イスラマバードやラワルビンディの刑務所周辺にはカーン被告の支持者が集まり、刑が覆されたことを歓迎した。
PTIによると、カーン被告の妻であるビビ(Bushra Bibi)被告も別の嫌疑で逮捕されたという。
カーン被告は複数の裁判で実刑判決を受けているが、いずれも刑は確定していない。
国連人権理事会は今月初め、カーン被告が国際法に違反して恣意的に勾留されているとして、即時釈放を求めた。
カーン被告の3番目の妻であるビビ被告はスピリチュアル・ヒーラーとして働く男性と結婚していたが、カーン被告と結婚する3カ月以上前に離婚したと主張。検察は離婚届などの証拠を提出し、それを否定していた。
パキスタンの婚姻法は離婚後3カ月以内の再婚を禁じている。
ビビ被告は2017年8月に離婚したと主張。婚姻法を守り、3カ月経った後に再婚したと述べていた。
一方、地元メディアは13日、捜査当局が昨年5月の暴動を扇動したとして、カーン氏を逮捕したと報じた。
暴徒は国内各地で略奪、軍や政府施設を襲撃、公共放送事務所に火を放つなどした。当局はこの暴動に関与した数百人を逮捕・起訴している。