◎パキスタンは長い間、メディアに厳しい対応を取ってきた。
2023年2月22日/パキスタン、ラホール(K.M. Chaudary/AP通信)

パキスタンの治安当局が首都イスラマバード在住のシニアTVキャスター、ジャミル(Khalid Jamil)氏を逮捕した。現地メディアが22日に報じた。

それによると、ジャミル氏は政府批判で人気を集め、ソーシャルメディアで国家機密に関する虚偽の情報を拡散した疑いで逮捕されたという。

ジャミル氏が所属するテレビ局ABNはX(旧ツイッター)に声明を投稿。「連邦捜査局は21日深夜にジャミル氏を逮捕し、どこかに連れ去った」と明らかにした。

ジャミルの家族もイスラマバードにある自宅が深夜に家宅捜索を受けたと認めている。

ソーシャルメディアで拡散した写真にはジャミル氏が警察署とみられる場所に連行されるところが写っていた。

イスラマバードの地方裁判所は22日、ジャミル氏を尋問のために2日間勾留することを許可した。

国内のジャーナリスト協会はこの逮捕を「言論統制」「政府による弾圧」と呼び、ジャミル氏の即時解放を求めている。

パキスタンは長い間、メディアに厳しい対応を取ってきた。

2020年、パキスタンは米国に本拠を置くジャーナリストの権利保護団体「ジャーナリスト保護委員会(CPJ)」が毎年発表する世界不処罰指数で9位にランクされた。

近年、治安当局による活動家やジャーナリストへの攻撃が増加しており、政府批判や反対意見を述べる場が制限されている。軍への批判は扇動罪に問われることが多く、何の前触れもなく逮捕される。

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