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パキスタン元首相と妻に懲役17年、背任と反汚職法違反

裁判所は2人が外国から提供された贈答品を不正に保持し、低価格で売却したとして有罪と判断した。
パキスタン、カーン元首相(右)と妻のビビさん2(K.M. Chaudary/AP通信)

パキスタンの裁判所は20日、カーン(Imran Khan、服役中)元首相と妻のビビ(Bushra Bibi)被告に対し、汚職罪でそれぞれ17年の禁錮刑を言い渡した。

裁判所は2人が外国から提供された贈答品を不正に保持し、低価格で売却したとして有罪と判断した。判事は両被告の無罪主張を退け、服役を命じた。

この事件はパキスタンの汚職監視制度「トシャカーナ(Toshakhana)」に関連する贈答品管理違反を巡るものだ。首相在任中に外国賓客から贈られた高価な贈り物、特にサウジアラビアの皇太子からの贈り物である高級宝飾品や時計などが焦点となった。検察は夫妻がこれらの贈答品を国家から市場価値よりはるかに低い価格で購入し、その後売却したと主張。裁判所はこれを国家財政に大きな損失を与えた違法行為と認定した。

検察によると、夫妻は贈答品の市場価値28万5521米ドルに対して、わずか1万米ドル余りと低く申告して取引したとしている。この申告の低さが便宜供与と汚職行為を助長したとし、背任と反汚職法違反の罪で有罪判決が下された。

裁判は首都イスラマバード近郊の刑務所内で行われた。夫妻はこれまでに複数の汚職やその他刑事訴追を受けており、カーン氏はすでに別の汚職事件で14年の禁錮刑を受けて服役中である。今回の判決分は既存の刑期に追加される形となり、総刑期はさらに長期化する見込みだ。

カーン氏の弁護団は判決直後に上訴を誓い、裁判が「公平性と正当な手続きを欠いている」と批判した。カーン氏の広報担当者も意図や利益、損失の証明を欠いたまま刑事責任が課されたとして、裁判の公正性に疑問を呈した。野党PTI(パキスタン正義運動)も声明でこの判決を「歴史の黒い章」と非難した。

一方で中央政府は判決について、法と証拠に基づくものだと擁護している。

カーン氏は2018年から2022年4月まで首相を務め、不信任決議で失脚したものの、政界での影響力は依然として大きい。彼の支持者たちはこれらの一連の訴追が政治的動機に基づいていると主張し、これまでに複数回抗議デモを実施している。今回の判決もパキスタン国内で政治的緊張を一段と高める可能性がある。

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