◎テロはラワルピンディ行きの列車を待つ人々でごった返す駅ホームで発生。同州に拠点を置く反政府勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」が犯行声明を出した。
パキスタン南西部バルチスタン州クエッタの鉄道駅で自爆テロが発生し、陸軍兵士や鉄道職員を含む少なくとも26人が死亡、62人が負傷した。警察が9日、明らかにした。
それによると、テロはラワルピンディ行きの列車を待つ人々でごった返す駅ホームで発生。同州に拠点を置く反政府勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」が犯行声明を出した。
首相府の報道官は記者会見で、駅のセキュリティに問題があったのではないかという質問に対し、「このような自爆テロを止めるのは非常に難しい」と語った。
地元テレビ局は駅の警備を担当する責任者の話しとして、「自爆テロ犯は乗客に変装し、ホームにいた人々に紛れ、自爆した」と伝えている。
テレビ映像ではホームの屋根が吹き飛び、瓦礫が散乱する中、負傷者を運び出す人々の姿が映っていた。
報道によると、この駅には危険物を持っていないかチェックするセキュリティゲートが出入口に設置されていたという。
警察は声明で、「死亡が確認された26人のうち10数人が陸軍兵士、6人が駅職員であった」と明らかにした。
自爆テロ犯がどこから来たかは分かっていない。別の駅から列車に乗って移動してきた可能性もある。
BLAはウェブサイトに犯行声明を掲載。「戦闘員は駅にいた陸軍部隊を攻撃した」と主張した。
バルチスタン州では四半世紀ほど前から政府と分離主義勢力による紛争が続いており、BLAなどの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に要求。その後、独立を求めて反乱を起こした。
BLAは同州で先月発生した炭鉱労働者襲撃(21人死亡)でも犯行声明を出している。
同州では8月25~26日にかけて少なくとも3つのテロ攻撃が発生し、38人が死亡。陸軍はこのテロに関与したとして、21人の反政府勢力を殺害したと報告している。