◎アフガンと国境を接する北西部カイバル・パクトゥンクワ州と南西部バルチスタン州では近年、テロ攻撃が相次いでいる。
パキスタン外務省は17日、北西部カイバル・パクトゥンクワ州の軍事施設が攻撃を受けた事件に抗議するため、在アフガン大使館の外交官を召喚したと明らかにした。
事件は15日未明に発生。アフガンと国境を接するカイバル・パクトゥンクワ州の軍事施設近くで爆発物を積んだ車が爆発、武装勢力の戦闘員が施設に向けて銃を乱射し、陸軍兵士8人が死亡、民間人を含む数十人が負傷した。
この銃撃戦で武装勢力の戦闘員10人も死亡。TTP(パキスタンのタリバン運動)の分派グループが犯行声明を出した。
パキスタン外務省は声明で、「アフガン政府に対し、テロ事件の完全な調査と、実行犯の摘発を要請した」と述べた。
タリバン暫定政権はコメントを出していない。
TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切り、軍と警察への攻撃を強化した。
アフガンと国境を接するカイバル・パクトゥンクワ州と南西部バルチスタン州では近年、テロ攻撃が相次いでいる。
ペシャワルのモスクで昨年1月に発生した自爆テロでは警察官を中心に101人が死亡。犯行声明を出した組織はいなかったが、TTPに疑惑の目が向けられている。