◎パキスタンの中央銀行は歳出削減を含むIMFの要請に応えるため、主要政策金利を過去最高の22%まで引き上げている。
パキスタンと国際通貨基金(IMF)が30億ドルの融資で合意に達した。地元メディアが30日に報じた。
それによると、IMFは担当者レベルで融資を行うことに合意したという。
融資を受けるためにはIMF理事会の承認が必要である。深刻な財政危機に見舞われているパキスタンは1年ほど前からIMFに追加支援を求めていた。
パキスタンの中央銀行は歳出削減を含むIMFの要請に応えるため、主要政策金利を過去最高の22%まで引き上げている。
同国の経済は国債に頼るという中央政府の長年の不始末により苦境に立たされており、世界的なエネルギー危機と昨年同国を襲った壊滅的な洪水によって崖っぷちに追い込まれた。
IMFとの交渉を担当する中央政府の高官は声明で、「パキスタンの経済は何百万人もの被災者を出した昨年の大洪水や、ロシアのウクライナ侵攻に伴う世界規模のインフレなど、外部の圧力にさらされてきた」と述べている。
「これらの外圧と前政権によるいくつかの失策の結果、経済は停滞しています...」
一部の地元メディアは交渉に詳しい関係者の話しとして、「IMF理事会は数週間以内に融資を承認する」と伝えている。
米国の調査研究機関「ウッドロー・ウィルソン国際センター」のアナリストは、「この合意はパキスタンに経済的な余裕を与える」と評価した。
パキスタンのシャリフ(Shahbaz Sharif)首相とIMFのゲオルギエワ(Kristalina Georgieva)専務理事は先週、この問題について協議した。
パキスタンは中国、サウジ、UAE(アラブ首長国連邦)などの資金援助を受け、デフォルト(債務不履行)を回避すべく奮闘している。
しかし、この取り組みは1700人以上が死亡し、数百億ドルもの経済損失を出した昨夏の大洪水によって妨げられてきた。