◎カイバル・パクトゥンクワ州ではこの数カ月、テロ攻撃が相次いでいる。
パキスタンの警察当局は4日、北西部カイバル・パクトゥンクワ州で銃乱射事件が相次ぎ、少なくとも14人が死亡したと明らかにした。
州警察によると、武装集団が州都ペシャワル近郊の地区にある公立学校に押し入り、教師8人を射殺したという。
さらに同州の別の場所では陸軍と武装勢力による銃撃戦が発生。兵士6人が死亡した。
AP通信によると、殺害された教師8人のうち7人は少数民族のシーア派。もう1人はスンニ派とみられ、学校近くの路上で射殺された。
武装集団は車で逃亡したと伝えられている。犯行声明は出ておらず、軍と警察が行方を追っている。
シャリフ(Shahbaz Sharif)首相は自身のツイッターアカウントに声明を投稿。学校襲撃を非難し、「関係閣僚に必要な措置を講じるよう命じた」と書き込んだ。
同州の北ワジリスタンで発生した陸軍と武装勢力の銃撃戦では兵士6人が死亡。軍は詳細を明らかにしていないが、武装勢力の戦闘員3人も死亡したようだ。
カイバル・パクトゥンクワ州ではこの数カ月、テロ攻撃が相次いでいる。その多くに「パキスタンのタリバン運動(TTP)」が関与しているとみられる。
TTPとアフガンを統治するタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPはカイバル・パクトゥンクワ州の南ワジリスタンや南西部バルチスタン州に拠点を置き、現在はアフガンの山岳地帯に潜伏している。
TTPはアフガンのタリバンが復権したことで勢いを取り戻したように見える。パキスタン軍はこの数週間、カイバル・パクトゥンクワ州などで過激派の拠点を取り締まり、数十人を殺害している。