◎シャリフ派は8日の総選挙後、2007年に暗殺されたブット元首相の息子が率いるパキスタン人民党(PPP)などと協議を続けてきた。
パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派は20日、他政党との連立交渉の結果、シャリフ(Shehbaz Sharif)前首相を首相候補に選出することで合意したと発表した。
シャリフ派は8日の総選挙後、2007年に暗殺されたブット(Benazir Bhutto)元首相の息子が率いるパキスタン人民党(PPP)などと協議を続けてきた。
複数の罪で実刑判決を受け服役中のカーン(Imran Khan)元首相率いる「パキスタン正義運動(PTI)」を支持する議員たちはシャリフ派を上回る議席を獲得したものの、政権樹立には至らなかった。
シャリフ氏はナワズ・シャリフ(Nawaz Sharif)元首相の弟。2022年の不信任決議で弾劾されたカーン氏の後任となり、洪水対応などに当たった。
PPPなどの党首は深夜の共同記者会見で、「連立政権樹立に必要な過半数の票を確保した」と強調した。
また党首らは今月末に召集される国会でシャリフ氏の再任を支持すると述べた。
さらに、次の大統領候補にはPPPのザルダリ(Asif Ali Zardari)前大統領を選出するとした。
この会見の数時間前、PTIが声明を発表。8日の総選挙を「詐欺」と呼び、選挙管理委員会の委員長に辞任を求めた。
またPTIは選管が票を操作してPTIの候補数十人を落選させたと主張。支持者に抗議デモを呼びかけた。
PTIはこの主張を裏付ける証拠を提示していない。選管はこの主張を「とんでもない言いがかり」と非難している。