◎政府は「パキスタンのタリバン運動(TTP)」が攻撃に関与したと非難している。
パキスタン当局は30日、北西部カイバル・パクトゥンクワ州ペシャワルのモスクで自爆テロが発生し、少なくとも59人が死亡、150人以上が重軽傷を負ったと明らかにした。
報道によると、爆破されたモスクはペシャワル中心部の州警察本部と同じ敷地内にあり、当時、数百人が礼拝に訪れていたという。
AP通信は目撃者の話を引用し、「爆発の衝撃で屋根が崩れ落ちた」と語った。
政府は「パキスタンのタリバン運動(TTP)」が攻撃に関与したと非難している。
地元メディアによると、TTPのメディア部門が犯行声明を出したという。
TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPはかつてパキスタン南西部バルチスタン州に拠点を置き、現在はアフガンの山岳地帯に潜伏していると伝えられている。
ペシャワルの医療関係者は記者団に対し、「これまでに少なくとも59人の死亡を確認し、157人が治療を受けている」と語った。
地元メディアによると、死亡した59人のうち少なくとも33人は警察官だという。
州警察本部の敷地内には政府系機関の建物もある。自爆テロ犯が敷地内に爆発物を持ち込んだ経緯は不明。一部メディアは男がモスクの入り口付近で自爆したと報じている。
現場を視察したシャリフ(Shehbaz Sharif)首相はテロを非難し、負傷者を救うために献血を呼びかけた。
在パキスタン・米国大使館も「恐ろしい攻撃を糾弾する」と声明を出した。
TTPの指導者や戦闘員はアフガンのタリバンによる政権奪取以来、アフガンに聖域を見出し、活動を活発化させている。
アナリストによると、タリバンはTTPに銃器や弾薬を供与している可能性が高いという。しかし、タリバンはTTPとのつながりを否定している。
パキスタン政府は過去20年の間に数え切れないほど過激派の攻撃を受けてきたが、TTPと政府の停戦協定が失効した昨年11月以降、暴力事件が急激に増加している。
TTPは現在、カイバル・パクトゥンクワ州で爆弾テロや襲撃を繰り返している。