◎パキスタン陸軍は推定160発の核弾頭を保有し、同国の独立以来、その歴史の半分以上を支配してきた。
パキスタン、下院の本会議場(Getty Images)

パキスタンの下院(定数336)が4日、軍司令官の任期を3年から5年に延長する法案を賛成多数で可決した。

カーン(Imran Khan、服役中)元首相の野党・パキスタン正義運動(PTI)は与党が法案の審議にほとんど応じず、一方的に可決したと非難した。

シャリフ政権は軍の事実上の責任者である陸軍大将の人事に伴う政治的混乱を回避するために、その任期を5年に延長すべきと主張。海軍と空軍の大将の任期も延長されるが、両役職の影響力は弱く、論争に発展することもほとんどない。

投獄中のカーン被告に代わり、PTI議員が法案に反対を唱える中、上下両院は賛成多数でこれを可決。大統領府に送った。

一部のPTI議員は法案の写しを破り捨て、審議を認めない下院議長に投げつけた。

ザルダリ(Asif Ali Zardari)大統領は法案が届き次第、速やかに署名するとしている。

カーン被告は2022年の不信任決議で弾劾され、翌年5月に逮捕。現在、150件以上の訴訟を抱え、ラワルピンディの刑務所に収監されている。

PTIは法案可決後に声明を出し、シャリフ政権と陸軍を非難した。

陸軍は推定160発の核弾頭を保有し、同国の独立以来、その歴史の半分以上を支配してきた。

シャリフ(Shehbaz Sharif)首相は22年11月、ムニール(Asim Munir)氏を陸軍大将に抜擢、カーン被告はこの人事に反対していた。法案が成立すれば、ムニール氏の任期は2027年11月までとなる。

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