パキスタン・バルチスタン州、8月31日までインターネット遮断、テロの脅威高まる
州政府は8月14日の独立記念日を前に、イスラム過激派によるテロ攻撃のリスクが高まっていることを受け、通信の遮断を決めたとしている。
.jpg)
パキスタン南西部バルチスタン州当局は8日、安全保障上の理由から、8月31日まで同州内における携帯電話のインターネットサービスを一時停止すると発表した。
州政府は8月14日の独立記念日を前に、イスラム過激派によるテロ攻撃のリスクが高まっていることを受け、通信の遮断を決めたとしている。
バルチスタン州の反乱軍は近年、独立記念日の前後に国旗を販売する人々や一般市民を標的にしてきた。
バルチスタン州では四半世紀ほど前から政府と分離主義勢力による紛争が続いており、反政府勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」などの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に要求。その後、独立を求めて反乱を起こした。
BLAは同国最大の武装勢力TTP(パキスタンのタリバン運動)に匹敵する規模に成長し、安全保障を脅かす大きな脅威となっている。
一方、陸軍は8日、バルチスタン州のアフガニスタン国境から越境を試みた武装勢力の戦闘員33人を殺害したと明らかにした。
それによると、治安部隊はアフガン国境に近い地区で同国最大の武装勢力TTP(パキスタンのタリバン運動)が越境を計画しているという情報を入手。夜間に対テロ作戦を決行し、TTPを迎え撃ったという。
軍はアフガンと国境を接する北西部カイバル・パクトゥンクワ州でも大規模な対テロ作戦を実施中。4月には軍が「過去数年で最も激しい地上戦」と評した戦いでTTPの戦闘員54人を殺害した。
バルチスタン州とカイバル・パクトゥンクワ州では近年テロが多発。その多くにBLAとTTPが関与している。