◎カーン氏は4つの裁判で実刑を言い渡されているため、獄中にとどまる。
パキスタン・イスラマバードの高等裁判所は3日、カーン(Imran Khan、服役中)元首相の国家機密漏洩に関する裁判で同氏に無罪を言い渡した。
しかし、カーン氏は複数の事件で実刑判決を受けているため、獄中にとどまる。
イスラマバード地裁は今年1月、国家反逆罪でカーン氏に禁固10年を言い渡した。カーン氏はシャリフ政権に抗議する集会で機密情報を暴露した罪に問われている。
中央政府はその詳細を明らかにしていないが、外務省と米ワシントンD.C.の在パキスタン大使館との間でやり取りされた文書と考えられている。
カーン氏はこの文書を「自分が脅された証拠」と主張。22年4月の不信任決議に米政府が関与していると非難した。
中央政府と米当局はこの主張を「とんでもない言いがかり」と否定している。
イスラマバード高裁は無罪判決について詳しく説明しなかった。地元メディアによると、判事は検察が提出した証拠とカーン氏が集会で読んだとされる機密文書には一貫性がないと指摘したという。
カーン氏の弁護団は声明でこの判決を歓迎。「シャリフ政権の犬である検察は恥を知るべきだ」と口汚くなじった。
カーン氏は22年の不信任決議で失脚。現在、170件以上の訴訟を抱えている。
カーン氏が昨年逮捕された後、パキスタン正義運動(PTI)支持者による抗議デモが暴動に発展。治安当局はそれ以来、無許可の抗議デモを厳しく取り締まっている。
カーン氏は4つの裁判で実刑を言い渡されているため、獄中にとどまる。