◎カーン被告は2022年の不信任決議で弾劾され、翌年5月に逮捕。現在、150件以上の訴訟を抱え、ラワルピンディの刑務所に収監されている。
パキスタン・イスラマバードの高等裁判所が接待事件でカーン(Imran Khan、服役中)元首相の保釈を認めた。しかし、カーン氏は150件以上の訴訟を抱え、多くの裁判が係争中であるため、刑務所にとどまっている。
カーン被告の弁護士は20日、AP通信の取材に対し、「イスラマバード高裁はカーン氏の保釈を認めているが、他の裁判の影響で保釈は実現していない」と語った。
高裁は先月末、カーン被告の妻であるビビ(Bushra Bibi)被告の保釈を認めた。
夫妻は2018年の結婚の合法性を問う裁判で懲役7年、接待事件で懲役14年。カーン被告はその他裁判でさらに懲役3年と10年を言い渡され、いずれも控訴審で争っている。
夫妻は外国要人からの贈り物を売却した際、その利益を正しく申告しなかった罪に問われている。
パキスタンの法律では、政治家は外国の要人から贈られた品物を保持することが許されているが、その市場価値を正しく申告し、売却した場合も金銭を申告しなければならない。
カーン被告は告発を否定。接待裁判の審理は7月に始まり、現在も続いている。
カーン被告は2022年の不信任決議で弾劾され、翌年5月に逮捕。現在、150件以上の訴訟を抱え、ラワルピンディの刑務所に収監されている。
カーン被告は4つの裁判で有罪判決を受けたものの、他のいくつかの裁判では控訴審で無罪が確定、執行猶予となったケースもあるが、係争中の裁判があまりに多く、保釈は難しい状況だ。
複数の判事がカーン被告が国外に逃亡する恐れがあるとして、保釈を認めない決定を下している。
地元メディアによると、少なくとも8つの事件を担当する判事がカーン被告の保釈を認めない決定を下したという。