◎支持者たちは太鼓の音に合わせて踊り、歌い、叫び、色鮮やかなスタートを切った。
2022年10月28日/パキスタン、北部ラホール、カーン前首相の集会(K.M. Chaudary/AP通信)

パキスタンのカーンImran Khan前首相は28日、北部ラホールで集会を開き、首都イスラムバードへのデモ行進を開始すると宣言した。

中露寄りのカーン氏は今年4月に不信任決議で追放されて以来、政府と司法を厳しく批判し、全国各地で政治集会を開催。シャリフ(Shehbaz Sharif)首相に解散総選挙で「勝負」するよう求めている。

またカーン氏は不信任決議を「米国の陰謀」と主張しているが、米政府は関与を否定している。

カーン氏は数千人の支持者を引き連れ、400km近く離れたイスラマバードまで行進するようだ。地元メディアは暴動に発展する可能性があると警告している。

カーン氏のマーチングフェスティバルは1700人以上が死亡し、数十万人が自宅を失い、国土の3分の1が水没したと推定されている未曽有の大洪水から回復する努力を妨げる可能性がある。

デモ隊は数百台のトラック・車に乗車し、ラホールを出発した。車列は来週中にイスラマバードに到着する予定だ。

支持者たちは太鼓の音に合わせて踊り、歌い、叫び、色鮮やかなスタートを切った。地元メディアによると、一部の支持者は屋台を準備していたという。

支持者はこのフェスを「グランド・トランク・ロード」と呼んでいる。カーン氏は途中の町や都市部で集会を開く予定。

カーン氏は失脚後も高い人気を誇り、集会には多くの支持者が集まると予想されている。

カーン氏はラホールを出発する前に演説し、フェスを「平和的行進」と呼び、シャリフ政権が解散総選挙に応じるまで政治闘争は続くと語った。

シャリフ氏は解散を否定している。次の議会選は来年11月までに行われる予定。

一方、核兵器を保有する強力なパキスタン軍は28日、「平和的な集会は許可されるが、暴動や国を不安定にする試みはいかなる理由があろうと許されない」と警告した。

パキスタンは1947年の独立以来、その歴史の半分以上を軍が支配してきた。

同国の選挙管理委員会は先週、カーン氏が首相在任中に外国高官から受け取った贈答品の売却益を正しく申告していなかったとして、公職に就く資格を5年間剥奪した。

選管はカーン氏が資産明細で虚偽の申告を行ったと指摘。「カーン氏の議員資格を剥奪する」としたが、カーン氏の弁護団は選管に議席を剥奪する権限はないとして裁判に打って出る構えだ。

政府はイスラマバードに追加の治安部隊を配備するとしている。

2022年10月28日/パキスタン、北部ラホール、支持者に手を振るカーン前首相(K.M. Chaudary/AP通信)
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