◎パキスタンの経済は持続不可能な対外債務、貿易赤字、輸出の減少、通貨安でひどく疲弊している。
パキスタンのシャリフ(Shahbaz Sharif)首相と国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ(Kristalina Georgieva)専務理事が22日、フランス・パリで会談した。
両氏はパキスタンとIMFが2019年に結んだ60億ドルの融資協定の再開について協議した。
IMFは現在、パキスタン政府がこの協定内容を満たしていないとして、融資を停止している。
パキスタンの経済は持続不可能な対外債務、貿易赤字、輸出の減少、通貨安でひどく疲弊している。
パキスタンとIMFの協定は来週期限を迎える。地元メディアによると、シャリフ氏は数カ月前からゲオルギエワ氏との会談を希望していたという。
シャリフ氏は昨年4月、不信任決議で解任されたカーン(Imran Khan)前首相に代わって就任。それ以来、前例のない経済危機に悩まされている。
IMFは先週、シャリフ政権が国会に提出した補正予算案を厳しく批判した。IMFは融資協定で約束した歳出削減が図られていないと述べている。
パキスタンは中国、サウジ、UAE(アラブ首長国連邦)などの資金援助を受け、デフォルト(債務不履行)を回避すべく奮闘している。
この取り組みは1700人以上が死亡し、数百億ドルもの経済損失を出した昨夏の大洪水によって妨げられている。
パキスタン首相府は声明で、「シャリフ首相とゲオルギエワ専務理事は複数の問題について意見を交換した」と述べている。
またシャリフ氏はゲオルギエワ氏に対し、融資協定を守ると約束し、できるだけ早く融資が再開されることを望んでいると表明した。