◎バルチスタン州では四半世紀ほど前から政府と分離主義勢力による紛争が続いており、BLAなどの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に要求。その後、独立を求めて反乱を起こした。
パキスタン南西部バルチスタン州で25日から26日にかけて少なくとも3つのテロ攻撃が発生し、38人の死亡が確認された。治安当局が明らかにした。
それによると、陸軍がこのテロに関与した21人の反政府勢力を殺害したという。
州警察の報道官は声明で、「バルチスタン解放軍(BLA)とみられる戦闘員たちはクエッタ近郊の道路で市民23人を車やトラックから連れ去り、処刑した」と述べた。
それによると、容疑者たちは少なくとも10台の車両を爆弾などで破壊したという。
2件目の襲撃もクエッタで発生。警察官4人と通行人5人が射殺された。
3件目はクエッタ郊外で発生。9人が殺害され、近くの線路が爆破された。
別の地区ではパトカーが襲撃され、車両や民家に火が放たれた。
陸軍の報道官は声明で、「これらのテロ攻撃に対応した兵士14人が殉職した」と発表した。これは全体の死者数に含まれていない。
また報道官は「反乱軍を標的にした殲滅作戦を遂行中であり、罪のない市民を標的にしたこれらの凶悪犯罪、テロ、それを扇動する者や助長する者は裁判にかけられるだろう」と警告した。
州首相も記者会見で、「反乱軍に対する作戦が進行中であり、罪のない市民を殺した者たちに全力で対処する」と述べた。
パキスタンでは近年、イスラム過激派によるテロ攻撃が相次いでおり、その多くがアフガニスタンと国境を接するバルチスタン州と北西部カイバル・パクトゥンクワ州で発生している。
バルチスタン州では四半世紀ほど前から政府と分離主義勢力による紛争が続いており、BLAなどの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に要求。その後、独立を求めて反乱を起こした。
中央政府は反乱を鎮圧したと主張しているが、暴力が沈静化する見通しは立っていない。
州警察はこのテロ攻撃が始まる数時間前、BLAが州内の様々な場所で治安部隊への攻撃を開始したと発表。市民に対し、高速道路に近づかないよう警告していた。
地元メディアによると、BLAは犯行声明を出していないという。
クエッタ中心部の地区で2週間前に発生した爆弾テロでは子供を含む少なくとも3人が死亡、15人が負傷した。