◎パキスタンは長い間、アフガン難民を積極的に受け入れ、その大半が1979~89年の旧ソ連によるアフガン侵攻時に逃れた人々である。
パキスタンの最高裁判所は1日、同国で生まれたアフガニスタン人の強制送還を停止するよう求める請願の審理を開始した。
中央政府は現在、ビザを持たない不法移民を逮捕・国外追放する取り組みを進めている。
同政府は先月、全ての不法移民に対し、11月1日までに国外に退去するよう命じ、それ以降に残っている移民は逮捕・強制送還すると警告していた。
当局は最大都市カラチやアフガンと国境を接する北西部・南西部の都市などで身分証明書やビザを持たない不法移民を取り締まっており、多くのアフガン難民が危機的状況に置かれている。
同国で生活するアフガン人少なくとも140万人が適切な書類・ビザを持たない不法移民に分類される。
パキスタンは長い間、アフガン難民を積極的に受け入れ、その大半が1979~89年の旧ソ連によるアフガン侵攻時に逃れた人々である。
アフガンにおける2021年8月の政変後にパキスタンに逃れたアフガン人は50万人以上と推定されている。
この1カ月でアフガンに帰国した難民は40万人を超え、現在は当局による強制送還手続きが進められている。
国連や人権団体は当局の取り締まりを「非人道的」と非難し、中央政府に再考を促している。
最高裁の審理は数週間続く見込み。原告はパキスタンで生まれたアフガン難民の強制送還を「粛清」と呼び、基本的人権を著しく侵害するものとして、認めないよう求めている。