◎バルチスタン州では四半世紀ほど前から政府と分離主義勢力による紛争が続いている。
バルチスタン解放軍の戦闘員(Getty Images/BLA-TV)

パキスタン南西部バルチスタン州の高速道路で正体不明の武装集団がバスをカージャックし、9人を拉致。その後、別の場所に2人の遺体を遺棄した。捜査当局が13日、明らかにした。

それによると、事件は州都クエッタ郊外で12日に発生。武装集団が高速道路を占拠し、乗客約70人を乗せたバスを停車させ、9人を拉致したという。

州警察の報道官は声明で、「拉致された9人は全員パンジャブ州出身。捜査の結果、武装集団はこのうち2人を殺害、6人に重傷を負わせ、山中に放置した」と明らかにした。

バルチスタン州では四半世紀ほど前から政府と分離主義勢力による紛争が続いている。

同州に拠点を置く分離主義勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」などの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に求めていたが、後に独立を求めて反乱を起こした。

地元テレビ局によると、武装集団は高速道路から5キロほど離れた橋の下に9人を放置したという。

警察が武装集団を追跡している。バスはクエッタからイラン国境の町に向かっていたようだ。

カージャックを目撃したという男性は記者団に対し、「覆面をした男たちがバスを止め、9人を連れ去り、バスに出発しろと指示していた」と語った。

9人の身元は明らかになっていない。

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