◎犯行声明を出した組織は確認されていない。
パキスタン南西部バルチスタン州で9月29日に発生した自爆テロの犠牲者が54人に増加した。地元当局が30日、明らかにした。
それによると、重傷を負った2人が州都クエッタの病院で30日未明に亡くなったという。
テロ攻撃はクエッタ近郊の地区で行われていた預言者ムハンマドの生誕祭会場で発生。爆弾ベストとみられる爆発物を身に着けた自爆テロ犯が群衆の中で自爆した。
地元当局によると、70人近くが負傷し、うち5人が重体だという。
犯行声明を出した組織は確認されていない。しかし、地元メディアはこの地域で活動するイスラム国(ISIS)系組織が関与している可能性があると繰り返し報じている。
ISISは数日前にも同じ地域で陸軍のパトロール部隊に攻撃を仕掛けている。
アフガンと国境を接する北西部カイバル・パクトゥンクワ州では29日、警察署の敷地内にあるモスクが爆破され、少なくとも5人が死亡した。
当局によると、2人の自爆テロ犯が警察署のモスクに侵入。警備員が1人を射殺したものの、もう1人が自爆したという。
バルチスタン州では四半世紀ほど前から分離主義勢力による紛争が続いている。バルチスタン解放軍(BLA)などの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に求めていたが、後に独立を求めて反乱を起こした。
同州政府の報道官は記者会見で、「これまでの捜査から、29日の攻撃は自爆テロであることがほぼ確定した」と語った。
また報道官は国家警察のテロ対策班が州警察と連携して捜査に当たっていると述べた。
ISISを支持するスンニ派のアマーク(Aamaq)通信はバルチスタン州とカイバル・パクトゥンクワ州のテロ攻撃に関する情報を発信していない。