◎ポリオは脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、5歳以下の児童がかかることが多く、麻痺などを引き起こし、死に至ることもある。
パキスタンで28日、全国ポリオワクチン接種キャンペーンが始まった。対象は5歳未満の児童約4500万人。
保健省は先月、第2弾キャンペーンを開始し、約3200万人にポリオワクチンを接種した。
ポリオは脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、5歳以下の児童がかかることが多く、麻痺などを引き起こし、死に至ることもある。
死亡率はワクチン未接種の小児で2~5%、成人は15~30%、特に妊婦は重症化リスクが高い傾向にある。
首相府の報道官は声明で、「今年3回目のキャンペーンでポリオ根絶に向けた取り組みを大きく前進させよう」と呼びかけた。
全国の医療従事者や免許を持つボランティアが戸別訪問でワクチンを接種する。
シャリフ(Shehbaz Sharif)首相は最近、第一線の医療従事者と面会し、予防接種を受けない子供を出さないよう促していた。
保健省によると、同国では今年、71の地区で41人のポリオ感染者が報告されている。そのほとんどがアフガニスタンと国境を接する南西部バルチスタン州と南部シンド州で報告され、同じくアフガンと国境を接する北西部カイバル・パクトゥンクワ州と東部パンジャブ州がそれに続いている。
パキスタンは定期的に同キャンペーンを実施しているが、それを担当する医療従事者や護衛の警察官が何度も暴力に見舞われている。
パキスタンのイスラム過激派や武装勢力は米CIA(中央情報局)が国際テロ組織アルカイダの創設者ビンラディン(Osama bin Laden)を追跡する際に偽のワクチン接種活動を行ったことで、ポリオワクチンを敵視するようになった。
過激派はワクチンを「西洋の陰謀」「イスラム教徒を不妊化するウイルス」などと呼び、医療従事者らを標的にしている。