◎現場は州都ペシャワル近郊の地区。機動隊は数百人のデモ隊に催涙ガスを浴びせ、警棒を振り回した。
パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州で少数民族パシュトゥーン人を支持するデモ隊と警察が衝突し、少なくとも3人が死亡した。現地メディアが9日に報じた。
それによると、現場は州都ペシャワル近郊の地区。機動隊は数百人のデモ隊に催涙ガスを浴びせ、警棒を振り回した。
AP通信は負傷者を受け入れた病院関係者の話しとして、「3人の遺体が運び込まれた」と伝えている。
SNSで共有された動画には警察官が空に向けて発砲したり、デモ参加者を警棒で殴る様子が映っていた。
デモ隊は投石で応戦。車に火を放ったり、店舗を略奪したりした。
政府は7日、同国最大の武装勢力TTP(パキスタンのタリバン運動)を支援しているとして、パシュトゥーン人を保護するために活動している団体を非合法化した。
また政府はパシュトゥーン人による集会も禁じ、同団体を「テロ組織」と呼んだ。
内務省の報道官は9日の記者会見で、「この暴力的かつ無許可の抗議デモがパシュトゥーン人が国を分裂させようとしていることを示している」と非難した。
また報道官は11日に予定されているパシュトゥーン人による会合を非難。「その目的は信者を武装させ、TTPを支援することである」と主張した。
この団体は2014年に結成され、その指導者たちは陸軍と警察が過激派との戦いでパシュトゥーン人を虐待していると主張している。
TTPとアフガニスタンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切り、軍と警察への攻撃を強化した。